生命保険の選び方
PICKUP! おすすめの生命保険
ライフネット生命の定期保険。インターネットを主な販売経路とし、シンプルな保険を目指したことから、保険料の手頃さは業界でもトップクラス。保障の充実度や運用の堅実さにも注目したい。また、情報開示も徹底しており、保険料に対しての「原価」や「手数料」の内訳を公開するなど、顧客にに対しての真摯な取り組みに定評がある
アクサダイレクト生命の定期保険。ライフネット生命と同様にインターネットでの提供に特化し、安い保険料で手厚い保障を実現。さらにはオリジナルの保険料割引制度があり、保険金額が高額になるほど保険料が割引される。契約更新時にアクサダイレクト生命の健康基準を満たしていれば、更新後の保険料が割引になる場合も
生命保険の選び方
自分に万一のことがあったときに家族の生活を金銭面からサポートしてくれる生命保険。しかし、いくらの保障があれば間に合うのか、どの会社の生命保険が良いのかなどをしっかり吟味して加入するケースは、まだそれほど多くないのが実情です。
万一の備えとして頼りになる生命保険ですが、大きすぎる保障額や不必要な特約などを設定し、毎月高い保険料を払うことになれば、家計を守るべき保険が現在の家計そのものを圧迫することになり、本末転倒となってしまいます。
ここでは、生命保険を選ぶときにチェックすべきポイントや、必要な保障を確保しつつ保険料を抑える生命保険の選び方、生命保険の上手な見直し方などを解説します。
生命保険の選び方 最適な保険を選ぶための4つのポイント
生命保険の選び方で重要となるのは、家計状況や今後のライフプランなど自分自身の状況をクリアにすること、そして、保障内容・保険期間・保険料などで、それぞれの保険会社が販売している生命保険を比較、検討することです。
CHECK! 生命保険の選び方 4つのポイント
1.必要保障額を知ろう
生命保険の選び方、最初のポイントは必要保障額の計算です。必要保障額とは、世帯主に万一のことがあった時に家族が必要とするお金で、生命保険をかける際の保険金額の目安になります。基本的には、家族の毎月の支出をもとに算出され、それに世帯主死亡後のライフプランを加味して概算を出します。
たとえば、夫(会社員・35才、月給:税込35万円、手取り31万円)、妻(専業主婦・33才)、子供1人(3才)、月の生活費が31万円の家庭であれば、31万円×12ヶ月=372万円が、1年間に必要な生活費。
ただし、夫が死亡した場合の生活費支出は、生存時よりも減少するのが一般的です。今回のケースでは、夫の死亡によって月の生活費は31万円から15.9万円に、年間生活費は372万円から190.8万円に下がります。
現在の生活費 | |
---|---|
項目 | 金額 |
1.食費 | 40,000 |
2.服飾費(衣服、化粧品など) | 20,000 |
3.水道・光熱費(電気、水道、ガスなど) | 20,000 |
4.通信費(電話・プロバイダ・携帯など) | 15,000 |
5.教育費 | 30,000 |
6.こづかい(夫) | 30,000 |
7.こづかい(妻) | 10,000 |
8.娯楽費 | 10,000 |
9.生命保険料(夫) | 15,000 |
10.医療保険料(夫・妻) | 10,000 |
11.住宅ローン | 80,000 |
12.貯蓄 | 30,000 |
合計 | 310,000 |
35万円×12ヶ月間=1年間の生活費は420万円 |
万一の場合の生活費 | ||
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項目 | 金額 | |
1.食費 | ×0.8 | 32,000 |
2.服飾費(衣服、化粧品など) | ×0.8 | 16,000 |
3.水道・光熱費(電気、水道、ガスなど) | ×0.8 | 16,000 |
4.通信費(電話・プロバイダ・携帯など) | ×0.8 | 12,000 |
5.教育費 | 30,000 | |
6.こづかい(夫) | 0 | |
7.こづかい(妻) | 10,000 | |
8.娯楽費 | ×0.8 | 8,000 |
9.生命保険料(夫) | 0 | |
10.医療保険料(夫・妻) | ×0.5 | 5,000 |
11.住宅ローン | 0 | |
12.貯蓄 | 30,000 | |
合計 | 159,000 | |
19.9万円×12ヶ月間=1年間の生活費は238.8万円 |
…支出が減る項目
…支出がなくなる項目
試算条件:住宅ローンは、団体信用保険に加入していると仮定。ボーナス収入は加味せず。
一方、厚生年金・国民年金などの公的保険からは、遺された家族に対して遺族基礎年金や遺族厚生年金が支給されます。
上記の例では、遺族基礎年金が年額102万円*1、遺族厚生年金は年額38.1万円*1となり、合計で140.1万円。
これによって、生活費との差は年額50.7万円のマイナスとなり、月あたりの必要保障額は約4.23万円と、意外に低い金額の保障でもカバーできることがわかります。
*1 夫は大学卒業と同時に現在の会社に就職。平均報酬月額はH15.3まで20万円、H15.4から30万円。ボーナス、退職金は加味せず。(日本生命「必要保障額シミュレーション」遺族年金キャッシュフローより)
≪ 夫の死亡時に支給される公的保障 ≫
会社員(厚生年金) | 自営業(国民年金) | |
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子*1のある妻 |
遺族厚生年金*2 + 遺族基礎年金(792,100円) + 子の加算 (第1子・第2子 各227,900円 / 第3子以降 各75,900円) |
遺族基礎年金(792,100円) + 子の加算(第1子・第2子 各227,900円 / 第3子以降 各75,900円) |
子のない妻 | 遺族厚生年金 | ― |
子のある中高齢の妻 |
遺族厚生年金 + (中高齢の加算*3) |
― |
*1 18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子。および20歳未満で障害等級1級または2級の障害者 | ||
*2
遺族厚生年金の計算式① (平均標準報酬月額×7.125÷1000×平成15年3月までの被保険者被保険者期間の月数+平均標準報酬額×5.481÷1000×平成15年4月以降の被保険者被保険者期間の月数)×3/4 遺族厚生年金の計算式② (平均標準報酬月額×7.5÷1000×平成15年3月までの被保険者被保険者期間の月数+平均標準報酬額×5.769÷1000×平成15年4月以降の被保険者被保険者期間の月数)×1.031×0.985×3÷4 ①の式によって算出した額が②の式によって算出した額を下回る場合には、②の式によって算出した額が報酬比例部分の年金額 |
||
*3
妻が次のいずれかに該当する場合、40歳~65歳まで遺族厚生年金に594,200円(年額)を加算。 ・夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子がいない妻 ・40歳に達した当時、遺族基礎年金を受けていた子のある妻が、子が18歳(障害の状態にある場合は20歳)到達年度の末日に達したため、遺族基礎年金を受給できなくなったとき |
さらに、夫が死亡した後の家族のライフプランについても考慮する必要があります。
たとえば、子供の進学費用や養育費用、家賃や固定資産税などの住居費(持ち家の場合はさらにリフォーム等のメンテナンス費用)、妻の医療費や葬儀代など、将来発生するであろう出費も加味し、一方では、夫の死後に妻が働きに出た場合や、住宅を売却して実家に帰った場合など、必要保障額が減る要因がないかどうかも考えてみます。
必要保障額シミュレーションを活用
このように、必要保障額は、夫の職業、子供の有無や年齢、妻の働き方や年齢、住居形態といった非常に複雑な要素の絡み合いによって決まるうえ、時間の経過とともに刻々と変化するため、正確な金額を算出するのは容易ではありません。
そこで、自分の必要保障額を知りたい場合は、保険会社が提供している無料の「必要保障額シミュレーション」を活用することで、おおよその見当をつけることができます。ほとんどのシミュレーションには、結果の算出根拠も同時に記載されており、根拠に妥当性があるか、自分のケースに当てはまっているかをチェックできます。算出条件は保険会社ごとに異なるため、複数の会社でシミュレーションするのがおすすめです。
≪ 必要保障額シミュレーション≫
アクサダイレクト生命の必要保障額シミュレーション。生年月日や性別、家族情報を入力して必要保障額を割り出せる。算出結果は、生活パターン(配偶者の働き方・子供がいるかなど)によって自由にカスタマイズ可能
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2.保険期間を決めよう
生命保険の選び方、2つ目のポイントは、死亡保障が必要となる期間(保険期間)です。たとえば、同じ死亡保障であっても、子供がまだ小さく、教育費や生活費がかかる場合と、子供の成人後では、必要保障額はもちろん、保険をかける期間も異なります。
また、生命保険は、大きく「定期保険」と「終身保険」に分かれており、それぞれに保険の性質が異なります。
定期保険は、10年、20年など一定期間の死亡を保障する保険で、保険金の支払いがない限り保険料が戻らない掛け捨てタイプ(無解約返戻金タイプ)が多くなります。返戻金がないぶん、保険料は安く、数千万円などの高額の保険金を設定できるため、遺された家族に手厚い保障を残すのに適しています。
終身保険は、死亡保障が一生涯続く保険で、解約時には、あらかじめ定められた保険料率をもとに、所定の解約返戻金がもらえるタイプがよく見られます。いつかは必ず保険金の支払いが発生するため、全体的に保険料は高めで、高額の死亡保障には向いておらず、葬式費用など数百万円前後の死亡保障を準備するのに多く使われます。
自分のライフプランの中で、いつ、どの程度の保障が必要になるかを予想しておくことで、生命保険の必要な期間と、必要な生命保険の種類を絞り込むことができるようになります。
一般的には、多額の保障が必要になるのは、子供の養育期間中など一定時期に限られるため、この時期を定期保険でカバーし、その他の時期の死亡保障は、貯金との兼ね合いで要不要を判断するといった保障プランが勧められています。
3.保障内容を選ぼう
生命保険の選び方、3つめのポイントは保障内容です。生命保険には、死亡保障のみのシンプルな保障内容の保険と、医療や賠償責任などの保障が付帯した保険があります。一つの保険ですべてカバーしたい場合は後者の保険が有利ですが、注意したいのは、「主契約」と「特約」の違い。
主契約とは、その保険の本体であり、生命保険では死亡保障がこれにあたります。特約とは、主契約のオプションで、生命保険の場合は入院・手術・通院といった医療保障の付帯しているものがもっとも多く、そのほかに災害時の保障、がんなど特定の疾病に対する保障も見られます。
通常、特約は単体での加入はできず、主契約との同時加入となるうえ、主契約の契約終了と同時に、特約の保障もなくなります。
そのため、生命保険を選ぶときには、最初に、どの保障が主契約で、どの保障が特約なのかをチェックすることが非常に大切です。
たとえば、「死亡保障は子供が成人するまでなどの一定期間でかけ、自分のための医療保障は終身でかけたい」といった場合には、医療特約が付いている定期型の生命保険に加入するよりも、定期型の生命保険と終身型の医療保険にそれぞれ加入したほうが賢い選択と言えます。
4.保険料を吟味しよう
生命保険の選び方、4つめのポイントは保険料です。いったん加入すると毎月支払いが発生する保険は、人生で2番目に高い買いものと言われています。たとえば、夫が2万円、妻が1万円の生命保険にそれぞれ30年間加入すれば、支払額は3万円×12ヶ月×30年間=1,080万円にのぼります。また、通常の家庭では、これに医療保険や学資保険、火災保険などの各種保険も加わるため、保険料の総支払額が2倍、3倍になる家庭も多いでしょう。
家族のための生命保険が、高い保険料で家計を圧迫するようでは、家族の現在の生活の質も下がってしまいます。そのため、生命保険は、保障内容が同じであれば保険料の安いところで契約するのがおすすめです。
現在は、インターネットに販売経路をしぼることでコスト削減をはかり、安価な保険料を実現しているネット生保や、郵送で手続きが完了する通販型の生命保険の人気が高まっています。もっとも安いのは、ネット生保の定期型・掛け捨てタイプの保険ですが、終身型の中にも、保険期間の解約返戻金を低くすることで保険料を抑えた生命保険があり、貯蓄型保険を検討する際の有力な選択肢になります。
下表では、ネットで人気の生命保険を、定期型、終身型に分けてまとめました。生命保険を選ぶ際、参考にして頂けると幸いです。
≪ ネットで人気の定期保険 ≫
ライフネットの定期保険。保険料の手頃さでアクサダイレクト生命とトップを争う。特に20代・30代からの注目度が高い。保険会社の利益率を開示するなど顧客重視の営業姿勢も高評価
保険期間 |
10年間、20年間、30年間、60歳まで、80歳までから選択 ※満80歳まで自動更新可能 |
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保障内容(主契約) | 死亡保障・高度障害保障 | ||||||
その他の特約 | なし | ||||||
死亡保障額 | 500万円~1億円 ※100万円単位で設定可 | ||||||
保険料の試算(35歳、特約なし、月払いの場合) |
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アクサダイレクト生命の定期保険。加入者の年齢や保障額によってはライフネット生命より保険料が安くなる。契約更新時にアクサダイレクト生命の健康基準を満たすと更新後の保険料を割引
保険期間 | 10年間 ※80歳まで自動更新。55歳満了、60歳満了、65歳満了、70歳満了タイプもあり | ||||||
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保障内容(主契約) | 死亡保障・高度障害保障 | ||||||
その他の特約 |
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死亡保障額 | 500万円~1億円 ※100万円単位で設定可 | ||||||
保険料の試算(35歳、特約なし、月払いの場合) |
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≪ ネットで人気の終身保険 ≫
アフラックの終身保険。60歳の保険料払込期間終了時に保障内容が異なる3つのコースを選択。どのコースを選択しても返戻金がもらえる(年金・健康祝金などコースによって名称は異なる)
保険期間 | 終身 ※保険料払込期間は60歳まで | ||||
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保障内容(主契約) | 死亡保障・高度障害保障 | ||||
その他の特約 |
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死亡保障額 | 200万円~1,500万円 ※100万円単位で設定可能 | ||||
保険料の試算(35歳、特約なし、月払いの場合) |
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東京海上日動あんしん生命の終身保険。保険料払込期間中の解約返戻金を低めに設定し、保険料を抑えている。払込期間終了後の解約返戻金は、保険料総支払額を上回る
保険期間 | 終身 ※保険料払込期間は65歳まで | ||||
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保障内容(主契約) | 死亡保障・高度障害保障 | ||||
その他の特約 | なし | ||||
死亡保障額 | 200万円~500万円 ※金額ごとにA~Dタイプに分かれる | ||||
保険料の試算(35歳、特約なし、月払いの場合) |
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ライフネット生命の保険料試算および掲載データについて
※いずれの商品も、満期保険金や配当、また、解約返戻金はありません。なお、保険料は、2014年5月2日時点の保険料率で計算したものです。
※本データは、2014年5月2日時点の情報を元に作成しております。