学資保険の選び方
PICKUP! おすすめの学資保険
ソニー生命の学資保険。返戻率は業界でも高く、貯蓄重視型。学資金は、満期時の他に中学・高校・大学進学のタイミングで受け取るⅠ型と、17・18歳満期時と20・22歳満期時に一括で受け取るⅡ型、18歳、19歳、20歳、21歳、22歳のタイミングで学資金を受け取れるⅢ型がある。ネット上でプラン設計を試算しその上でライフプランナーに各家庭に必要な教育資金を相談すればさらに安心
アフラックの学資保険。貯蓄重視型で、返戻率も高い。子供が生まれる140日前から契約することができるので、将来の教育資金のプランが早めに設計できる。また、学資年金プランは17歳払済・18歳払済・10歳払済から選べ、10歳払済の場合は、学資年金支払いスタート時を17歳か18歳で選べる
学資保険の選び方
学資保険とは、子どもの教育費を確保するための貯蓄型保険の一つです。毎月少しずつ保険料を積み立てていくことで、満期時にまとまった学資金を所定の利息とともに受け取ることができます。
一見、銀行の定期預金や積立型の生命保険と同じように見える学資保険ですが、定期預金よりも高い返戻率(払い込んだ保険料に対する満期金の戻り率)を持つ保険が多いことや、他の満期金がある保険と比べると子どもが進学するまでの比較的短期間で満期金が戻ってくる点、また、預金と異なり、親に万一のことがあった場合は保険料の支払いが免除となり、所定の満期日に学資金を受け取ることができる点などから人気を集めています。また、学資保険も生命保険料控除の対象となるため、年末調整や確定申告をすることで所得税や住民税の控除を受けることができます。毎年忘れず申告するようにしましょう。
ここでは、学資保険の選び方にスポットを当てて、余裕のある学資金準備のための「学資保険の活用法」と、おすすめの学資保険を見ていきます。
学資保険の選び方1 学資保険のチェックポイント
POINT 学資保険を選ぶ際のチェックポイント
1. 学資保険は返戻率に注目!
学資保険には、学資金の貯蓄に特化した貯蓄重視型の保険と、入院・通院等、子どもの医療保障が付帯した保障重視型の保険の2種類があります。
2つの保険の違いは、保障内容と返戻率。貯蓄重視型の学資保険の場合、返戻率は100%を超えるものが一般的で、満期時には支払った保険料よりも多くの学資金を受け取ることができます。
一方、保障重視型の学資保険は、医療保障や親が死亡した場合の死亡保障(死亡保険金)等が付帯しており、そのぶんの保険料が上乗せされます。そのため、多くの保険は返戻率100%を下回り、保険料に対する学資金の戻りは少なくなります。
どちらのタイプの学資保険を選ぶかは、各家庭の保険加入状況によりますが、貯蓄重視型の学資保険の中には、現在の銀行の定期預金金利よりも高い返戻率を持つものが少なくありません。そのため、貯蓄性が高いこれらの学資保険を活用して教育費を貯め、医療保障等は共済やネット保険など保険料が安くシンプルな別保険でカバーするというのが、現在の主流の考え方となっています。
≪ 学資保険の返戻率を比較 ≫
貯蓄重視型の学資保険 | 保障重視型の学資保険 | |
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返戻率 | 約105.2~112.9% | 約83.6~108.5% |
保障内容 |
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おもな学資保険 |
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2. 学資保険は0歳加入が有利!
一般に、教育費は、幼稚園(保育園)・小学校・中学校・高校と、子どもの成長に従って増えていきます。もっとも出費が増えるのは大学受験のときで、予備校の受講料や願書代、センター試験などの受験代、また、入学後の入学金と授業料などで最低200万~300万円。多い場合で500万円を超える場合もあります(文部科学省「学生生活調査結果」「平成21年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人あたり)」)。
そのため、教育関連のお金は子どもの誕生と同時に貯めはじめるのがベスト。学資保険も、子どもが0歳のうちに加入することで、計画的に学資金を積み立てられるのはもちろん、保険期間が長いぶんだけ毎月の保険料負担を少なくすることができます。
3. 早期払込と出生前加入を上手に使おう
学資保険の中には、10歳払済や12歳払済など、保険料を早期に払い込めるものや、出生予定日の140日前(約4ヶ月半前)から加入ができるものがあります。
早期払込は、子どもの教育費が増え始める中学校進学以前に保険料の払込みを終えることができ、さらに保険料が値引きされる(=返戻率がアップする)というメリットがあります。また、月払いよりも半年払いや年払いのほうが多くの保険料割引を受けられるため、家計に余裕のある場合は実践してみましょう。
140日前加入は、所定の条件(流産経験の有無等)を満たすことで、出産後のあわただしい時期を避けて保険加入手続きが行なえる便利なシステムです。通常より早く保険料の払込をスタートさせられるため、そのぶん満期も早くなります。学資保険を検討する場合は、各保険会社のこれらのサービスを上手に使うのがおすすめです。
≪ おすすめの学資保険 ≫
アフラックの学資保険。貯蓄重視型で、返戻率も高い。10歳払済プランを選択することで返戻率が上がる。高校入学時と大学入学時、大学2・3・4年時にそれぞれ学資金が支払われる
返戻率 | 105.2~112.9% |
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学資金の受取プラン | 「学資一時金(高校入学時)」+「基準学資年金額(大学入学時)」+「学資年金×3回(大学2・3・4年)」 |
保険料の試算
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その他 | 140日前加入が可能 10歳払済プランあり |
ソニー生命の学資保険。貯蓄重視型で返戻率はトップクラス。学資金を一括で受け取るⅡ型と、中学・高校・大学進学のタイミングで受け取るⅠ型、18歳、19歳、20歳、21歳、22歳のタイミングで学資金を受け取ることができるⅢ型がある。ソニー生命は、ライフプランナーと対面のうえ、加入手続きする必要がある
返戻率 | 109.1~113.7% |
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学資金の受取プラン |
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保険料の試算
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その他 | 専任のライフプランナーが保障設計をアドバイス |
三井生命の学資保険。貯蓄重視型で返戻率は100%超。12歳払済プランを選択すると返戻率がアップ。12歳時・15歳時・18歳時に学資金が支払われる(22歳満期プランの場合は22歳時も支払い)
返戻率 | 100.29%~111.6% |
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学資金の受取プラン |
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保険料の試算
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その他 | 140日前加入が可能 12歳払済プランあり |
コラム いくら必要? 子供の教育費
学資保険を考える際、気になるのはいくらの保障を準備すればよいのか、という点でしょう。
子どもにかかるお金を見てみると、幼稚園から大学まですべて国公立に進んだ場合は約978万円、すべて私立の場合で約2,300万円になります。ただし、これには学校外活動費(習いごとや塾の月謝など)が含まれているため、これらの費用を抜かした純粋な学費は国公立で約454万円、私立で約1,514万円と大幅に下がることがわかります。
≪ いくら必要?子どもの教育費 ≫
国公立 | 私立 | ||
---|---|---|---|
幼稚園(3年間) | 学習費総額 | 688,872 | 1,623,678 |
内)学校教育費+学校給食費 | 439,830 | 1,192,089 | |
小学校(6年間) | 学習費総額 | 1,846,338 | 8356440 |
内)学校教育費+学校給食費 | 585330 | 4970640 | |
中学校(3年間) | 学習費総額 | 1441443 | 3708777 |
内)学校教育費+学校給食費 | 526416 | 2841552 | |
高等学校(全日制・3年間) | 学習費総額 | 1548558 | 2942553 |
内)学校教育費+学校給食費 | 356937 | 782953 | |
大学(全日制・4年間) | 学習費総額 | 4248000 | 6364000 |
内)授業料・学校納付金・修学費・課外活動費・通学費 | 2634200 | 5352000 | |
合計 | 学習費総額計 | 9,773,211 | 22,995,448 |
学校教育費ほか計 | 4,542,713 | 15,139,234 | |
文部科学省「学生生活調査結果」「平成20年度子どもの学習費調査」、日本政策金融公庫「平成21年度 教育費負担の実態調査結果(勤務者世帯)」 |
また、2010年4月から「公立高校無償化・高等学校等就学支援金」制度が実施されました。これは公立高校の授業料(私立高校の場合は公立高校の授業料とほぼ同額の年間11万8,800円)が無料になる制度です。さらに、続く6月1日には「子ども手当て」が始まり、現行制度では15歳の4月1日の前日までの子ども一人に対して月額1万3000円の補助金が年3回に分けて支給されています。
このように、子どもの教育費そのものは、塾や習いごとの費用等を節約したり、国公立をメインに据えた進学プランを組むこと、国の補助金制度を活用することなどによってかなりの金額を削減することが可能ですが、それでも多くの家庭で負担となるのが大学の受験から入学までに発生する費用です。
通常、大学受験には学習塾費用、願書提出時やセンター試験の際に支払う受験費用、さらに大学に合格した場合は入学金や施設料等が発生し、その総額は国公立で約81万円、私立で約101万円。これに初年度の授業料や下宿代などが上乗せされます。
そのため大学受験の費用は少なく見積もった場合でも200万~300万円。遠方の大学へ進学するなどして別途生活費がかかる場合は、さらに仕送り費用等も考える必要があり、なんらかの方法でまとまったお金を準備しておくことが必要不可欠です。
学資保険や貯蓄だけでは不安な場合は、アルバイトで学費の一部を負担するよう子どもと話し合ったり、奨学金制度や教育ローンの活用、また、祖父母に援助を仰ぐことなども検討してみると良いでしょう。
≪ 大学入学時にかかる費用 ≫
国公立 | 私立 | |
---|---|---|
入学費用(学校納付金・受験費用・入学しなかった学校への納付金) | 809,000 | 1,010,000 |
1年間の在学費用(授業料、通学費、教科書代、塾の月謝、お稽古事の費用など) | 1,062,000 | 1,591,000 |
合計 | 1,871,000 | 2,601,000 |
日本政策金融公庫「平成21年度 教育費負担の実態調査結果(勤務者世帯)」 |
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学資保険の選び方2 学資保険はメリットとデメリットを把握して、上手に活用を
学資保険の選び方、いかがでしたでしょうか。
学資保険は、高い返戻率の保険を選ぶことで、払った保険よりも多くの満期金を受け取ることができ、さらに親に万一のことがあった場合でも満期学資金を受け取れるなど、貯蓄にはない保険独自のメリットがあります。
このように利用価値の高い学資保険ですが、月々の保険料は1万円~2万円と決して低い金額ではありません。また、どれほど返戻率の高い学資保険でも、保険期間中に中途解約した場合は元本割れを起こす場合がほとんどです。そのため、学資保険に加入する際は、保険をかけすぎて月々の保険料支払いが負担にならないよう、家計とのバランスを意識しましょう。
子どもの大学進学という一大イベントを後悔なく乗り切るためにも、学資保険はもちろん、貯蓄や奨学金制度なども上手に活用して、よりよい進学プランを組んでください。