保険の選び方

就業不能保険の選び方
必要性やメリット・デメリットは?

病気やケガで働けない!長期の休業リスクに備える就業不能保険

病気やケガで働けない!長期の休業リスクに備える就業不能保険

もしも自分が、病気やケガで長期間、働くことができなくなった場合にどうするか。
就業不能保険は、働く人が抱くそのような不安に備えるための保険です。

「死亡」や「高度障害」のときに保険金が支払われる生命保険とは異なり、就業不能保険が保障の対象としているのは入院や在宅療養といった「働けない状態」(=就業不能状態)。
つまり、生存はしているものの、なんらかの原因によって医師から就労を止められた場合に、収入の減少をカバーすることが目的です。

就業不能保険は、加入の際に、いくらの給付金をいつまで受け取るか(月額15万円を60歳まで等)を設定します。
加入後、被保険者が、保険会社の定める「就業不能状態」に該当すると、その状態が続く限り、設定した年齢(あるいは所定の保障満了期間)になるまで給付金が支払われます。
死亡時ではなく生存時のリスクに着目したことで、今までありそうでなかった長期の就業不能状態に備えることができ、注目を集めている保険です。

そこで今回は「就業不能保険の選び方」をテーマに、就業不能保険の必要性や、メリット・デメリット、「収入保障保険」や「所得補償保険」といった混同しやすい他の保険との違いなどを見ていきます。

就業不能保険のメリット・デメリットとは?

就業不能保険のメリットは?

就業不能保険のもっとも大きなメリットは、前述の通り、働けなくなった場合の収入をカバーできる点です。特に、子どもなど家族の人数が多く生活費がかかる場合や、住宅ローンの返済がまだ多く残っている場合など、毎月の生活コストがかかるときのセーフティネットとしておすすめです。

特に、自営業者やフリーランスでは、病気やケガで仕事ができなくなることが、じかに収入減少につながります。会社員であれば整備されている社会保障(有休休暇、傷病手当金、障害厚生年金など)が自営業者やフリーランスには原則的にはないため、長期休業への備えがより重要と言えるでしょう。

また、保障期間が一定期間(定期保険)となるため、保険料が比較的手ごろな点も、就業不能保険のメリットの1つです。医療保険や生命保険にすでに加入している場合でも、追加の保障として検討しやすいと言えるでしょう。

就業不能保険のメリット

  • 働けなくなった場合の保障を準備できる(住宅ローン返済、生活費、医療費などの捻出)
  • 公的保障が弱い自営業者におすすめ(傷病手当金、有給休暇、障害厚生年金などがない)
  • 定期保険のため、保険料が比較的手ごろ

就業不能保険のデメリットは?

一方、就業不能保険のデメリットは、被保険者の収入をサポートするという保険の性質上、主婦や学生といった収入のない人の加入が制限されている点です。たとえば、年収100万円を基準に、主婦であっても年収100万円を超えていれば申し込み可能とする就業不能保険(アクサダイレクト生命、ライフネット生命など)もあれば、主婦や学生は一律で申し込み不可とする就業不能保険(アフラックなど)もあり、対応はそれぞれの保険会社により異なります。

また、給付金の支払い対象となる「就業不能状態」の定義も、保険会社による違いの大きい部分。大きくは、うつ病などの精神障害を保障対象とする就業不能保険(アクサダイレクト生命、チューリッヒ生命)と、そうでない就業不能保険(ライフネット生命、アフラック)に分かれます。さらに、精神障害を保障対象とする場合も、給付金の支払い回数に制限が設けられている就業不能保険が多いため、精神障害に着目する場合は、就業不能状態となってからの支給限度回数についてもチェックしましょう。

なお、就業不能保険の多くは、所定の就業不能状態となってすぐに給付金が支払われるわけではなく、一定期間、その就業不能状態が継続することを支払いの条件としています(60日、180日など)。つまり、入院や在宅療養となっても、少なくとも当初60日間は生活費を自分でカバーする必要があると考え、貯蓄などと併用して備えることが欠かせません。

就業不能保険のデメリット

  • 一定の所得があることが前提(主婦や学生は加入が制限されるケースも)
  • 就業不能状態の定義が保険会社により異なる(うつなど精神障害への対応)
  • 一定期間、就業不能状態が継続する必要がある(60日、180日など)

就業不能保険の必要性と選び方

就業不能保険は必要なのか?

就業不能保険は必要なのか?

ここまで見てきた通り、就業不能保険とは、万一の場合の収入減少を補うための保険です。就業不能保険が、特に必要なのは、長期で働くことができなくなった場合に、社会保障や貯蓄などのセーフティネットが手薄い場合。「子どもが小さい」「介護をしている」等でベビーシッターやホームヘルパーなどを頼る可能性が高かったり、住宅ローンの支払いがあるなど、ご自身やパートナーが働けなくなることによって、家計へのダメージが大きくなる場合には、検討すると良いでしょう。
反対に、「公的保障に加えて勤務先の保障制度も利用できる」「貯蓄が充分にある」「実家の親や友人など、頼りにできる存在が近くにいる」等、セーフティネットが充実している場合には、必ずしも必要ではありません。

就業不能保険の選び方

就業不能保険を検討する際のチェックポイントは、「保険料」「就業不能の定義」「社会保障の内容」の3つ。
就業不能保険は、長期休業に備えるための生存保険であり、万一の死亡リスクに備える生命保険とは保障の目的が異なります。つまり、生命保険や収入保障保険(後述)に追加して加入するケースが多いため、毎月の保険料が家計の負担とならないかどうかをチェックするとよいでしょう。
また、前述の通り、保険会社によって異なる「就業不能状態」の定義を確認しておくことも大切です。就業不能状態の定義は、それぞれの就業不能保険の約款に記載されています。
さらに、自分自身の「長期休業リスク」も把握しておきましょう。会社員の方であれば、健康保険の傷病手当金(休業4日目から1年半、給与相当額の3分の2を支給)や、企業独自の保障制度、高度障害であれば障害厚生年金、業務に起因する病気や事故であれば労災など、多くのセーフティネットがあります。これらを加味し、貯蓄なども考慮したうえで、どの程度のリスクがあるかを判断しましょう。

  • 保険料(家計を圧迫しないレベルかどうか)
  • 就業不能状態の定義(特に支払い対象外のケースについてしっかり調べる)
  • セーフティネットをしっかり把握する(傷病手当金、勤務先の保障制度など)

アクサダイレクトの働けないときの安心

アクサダイレクトの働けないときの安心

アクサダイレクト生命が提供する就業不能保険。精神疾患もサポートしつつ、業界最安水準の保険料を実現している。給付金は月額5万円から5万円単位で設定可能(契約時の年齢・職業等 で上限額が異なる)。精神疾患の場合の給付金支払いは通算18回までとなるが、うつ病に加え、統合失調症やアルツハイマー病なども対象となる。
また、給付金の受取方法を選ぶことができ、1回目の給付金受取日から満額が支払われる「満額タイプ」と、傷病手当金を考慮し、働けない状態になってから1年半(540日)の給付金を半額にして保険料を抑えた「ハーフタイプ」の2種類を提供。
契約者付帯サービスとして、電話で医師や看護師に健康相談ができる「メディカルコールサポート24」(24時間365日)、日本の名医や優秀臨床専門医の紹介なども利用できる。

保険料試算

月額:2,600円

※35歳、男性、年収400万円、給付金月額10万円、保険期間・保険料払込期間65歳満了、支払対象外期間60日、満額タイプ

就業不能保険と、「収入保障保険」や「所得補償保険」との違いは?

収入保障保険との違いは?

収入保障保険は死亡保険の一種です。ご自身に万一のことがあった場合の家族の生活費保障として、死亡保険金が毎月支払われます。
10年間、65歳までなど、一定期間の保障となる定期保険である点は就業不能保険と同じですが、高度障害以外の生存時 には保険金が支給されません
生命保険よりも保険料が手ごろなものが多いため、生命保険の代替商品として近年人気が高まっています。

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所得補償保険との違いは?

所得補償保険は、自営業者の社会保険の代わりとして民間の保険会社が提供する保険商品です。
就業不能保険とは、よく似た性質を持っていますが、所得補償保険は「差額補償」という考え方に基づいており、収入のうち休業により実質的に減少した分のみを補償する商品がほとんどです。一方の就業不能保険は、加入時に決めた給付金額(月額10万円など)がそのまま支給されるため、「定額給付」と呼ばれます。
所得補償保険は損害保険会社、就業不能保険は生命保険会社が提供することが多い点も、両保険の違いと言えるでしょう。

生命保険の高度障害状態との違いは?

就業不能保険の「就業不能状態」と、生命保険の「高度障害状態」がどのように違うのか、と疑問に思う方も多いでしょう。
「就業不能状態」と「高度障害状態」は、定義されている状態が異なります。
高度障害状態は、「両眼の視力を永久に失う」「終身介護が必要」など、症状が固定的であるケースが多くなります。また、一度その状態に該当すれば、保険金が支給されるものがほとんどです。
一方、就業不能状態は、入院や在宅療養といった「働けない状態」を指します。高度障害に該当しない病気や障害、症状が固定的でない病気やケガでも、保険会社の定める就業不能状態に該当する限り、給付金は支払われます。ただし、病状などが回復して就労が可能になった場合は、その時点で就業不能とは見なされなくなり、給付金の支払いが終了します。
たとえば、両眼の永久的な失明は、高度障害状態に分類されますが、職業訓練を受けて就労が可能であれば、就業不能状態とはなりません。

医療保険との違いは?

医療保険は入院や手術をした場合に入院日数や手術の回数に応じて給付金が支払われる保険です。近年は、日帰りの入院も対象とする商品がほとんどで、病気やケガに備える保険としてもっとも知名度が高いと言えるでしょう。。
就業不能保険との違いは、給付金支払いの条件が「入院」「手術」「先進医療」といった医療行為に限定される点と、保障日数が60日や180日と比較的短期である点。
就業不能保険が保障対象としている在宅療養は対象外となるケースが多く、入院や手術がなければ給付を受けとることはできません。
同じく病気やケガを想定した保険でも、就業不能保険とは「給付金の支払われる期間」や「給付金の支払い条件」が異なることを理解しておくと良いでしょう。

就業不能保険は「長期休業時のリスクの大きさ」で必要性を判断しよう

就業不能保険は「長期休業時のリスクの大きさ」で必要性を判断しよう

就業不能保険は、生命保険や医療保険がそれまでカバーしきれていなかった「長期の休業」というリスクにターゲットをしぼった画期的な保険です。
特に、自営業やフリーランスといった公的保障が手薄い人々にとっては、ご自身や家族の生活をサポートする保障の1つとして上手に活用したいセーフティネットになるでしょう。

長期休業時のリスクの大きさは、人それぞれ異なるため、就業不能保険の必要性も各家庭により異なります。
小さな子どもがいる場合の死亡保険や、住宅を所持している場合の火災保険のように、多くの人が最優先で備えるべき保障ではないとはいえ、女性や高齢者の社会参画が活発化し、働く人が増えている現在、老若男女を問わずご自身が働けなくなったときのリスクを見積もることは非常に大切と言えるでしょう。

今回ご紹介した就業不能保険の選び方や必要性、メリット・デメリットを参考に、ご自身の「長期休業時のリスク」と、そのための備えを、もう一度整理してみてはいかがでしょうか。

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