外国人が加入できる生命保険を比較
日本での生命保険の加入には、原則、国籍は問われません。つまり、外国人でも、万一の場合に備え、日本で生命保険に加入することは可能です。
ただし、外国人が生命保険に加入するためには、各保険会社が設定する所定の要件を満たす必要があります。
この所定の要件は、各保険会社によって異なり、大手生命保険会社を中心に「日本国内に永住する意思が固いこと」といった高いハードルが加入要件になっている場合もあり、外国人が生命保険に加入するのは容易ではありません。
その一方で、数ある保険会社の中には、最低限の要件を満たせば外国人の生命保険加入を歓迎してくれる保険会社も存在します。
つまり、外国人が生命保険への加入を検討する際は、保険の内容はもちろん、加入要件についてもしっかりチェックし、外国人の生命保険加入を歓迎してくれる保険会社を選ぶことが大切といえるでしょう。
そこで、今回は、生命保険への加入を検討している外国人におすすめの生命保険をピックアップ。
最低限の加入要件と、外国人が生命保険を選ぶ際のポイントをわかりやすくご紹介します。さらに、外国人におすすめの生命保険についても比較しました。
万一の場合に備え、日本で生命保険への加入を検討されている外国人の方は、本特集を参考に、外国人が加入できる生命保険を選びましょう。
外国人が生命保険に加入するための要件とは
外国人が生命保険に加入するための要件は保険会社によって異なります。厳しい加入要件を設定しているところもあれば、最低限の要件を満たせば加入てきるところまで様々です。
本チャプターでは、保険会社が設定する外国人の加入要件を比較し、外国人が生命保険に加入するための最低限の加入要件について見ていきましょう。
外国人の加入要件を厳しく設定しているケースも
大手を中心に日本の生命保険会社では、外国人の生命保険加入に対して独自の基準を設けており、日本で生命保険に加入するのは決して簡単ではありません。
以下は大手保険会社の「損保ジャパン日本興亜ひまわり生命」や、ダイレクト生保大手「オリックス生命保険」が設定している外国人の生命保険加入要件です。
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命 外国人の生命保険加入要件
外国籍の方が契約者・被保険者・保険金等の受取人となる場合、以下の事項すべてを満たしている必要があります。
- 日本国内に居住し、かつ、日本国内に永住する意思が固いこと、または保険にご契約の間、日本国内に居住すること。ただし、観光ビザ、または就学ビザで国内に滞在している場合は、ご契約ご加入いただけません。
- 日本語の読み書きができ、契約関係書類(重要事項説明、告知書、約款)の理解ができること。
- 「住民票」などの提出をお願いした場合、ご提出いただけること。
- 契約者、被保険者、受取人の関係がご夫婦のケースで、「婚姻証明書(婚姻届受理証明書)」の提出をお願いした場合、ご提出いただけること。
※お仕事の内容・健康状態・保険ご加入状況などによっては、ご契約をお引き受けできない場合や保障内容を制限させていただく場合があります。
※引用:外国籍ですが、保険に入れますか? | 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命 ※2018年6月22日調査時点
オリックス生命保険 外国人の生命保険加入要件
以下の2点を確認のうえで検討させていただきます。
- 契約者、被保険者、受取人が日本国内に在住し、かつ永住する意思があること
- 申込書、告知書、「ご契約のしおり/約款」等の契約関連書類を理解できる日本語の能力があること
ちなみに、上記でご紹介した2社以外にも、多くの保険会社が、外国人の生命保険加入に同様の要件を設定しています。
ここで注目したいのは、加入要件に「日本国内に永住する意志が固いこと」といった内容が含まれている点です。
来日当初から永住目的で日本に来ている外国人であれば問題ありませんが、生命保険への加入を検討している全ての外国人が永住することを決め、日本に来ているわけではありません。結果的に永住する可能性があるにせよ、仕事などの関係で、数年、あるいは数十年は日本で過ごした後、最終的には自分の国に戻りたいと考えている外国人も多いはずです。
そうした外国人にとって、日本永住を加入要件にされるのは、生命保険に加入する上で、高いハードルになってしまいます。
外国人が生命保険に加入する際は、保険会社によって加入要件が異なるため、決して簡単ではないという点は、憶えておきましょう。
保険会社の中には、外国人の生命保険加入を厳しく制限していないケースも
その一方で、数ある保険会社の中には、外国人の生命保険加入を厳しく制限していないケースも。
例えば、世界トップクラスの保険ブランド「アクサ」グループのネット生保「アクサダイレクト生命」が設定している外国人が生命保険に加入するための要件は以下の通り。
アクサダイレク生命 外国人の生命保険加入要件
アクサダイレクト生命では、基本的に以下の3つの要件をクリアできれば申込み可能。
- 日本国内在住で申込み画面や約款の内容を正しく理解し、読み書きができる方
- パソコンなどによるインターネット接続環境を継続して管理・利用できる方
- 契約者ご本人さま名義のクレジットカードまたは金融機関口座を持っている方
※「在留カード」「特別永住者証明書」をご提出いただく場合がございます。
※「特定米国人(米国市民または米国居住者)」の方については「納税者番号(TIN)(=社会保障番号(SSN))」の記入をお願いする場合がございます。
※保険比較編集部調べ
上記の内容からもわかるように、アクサダイレクト生命の場合、多くの保険会社が外国人の保険加入要件として設定している「日本永住の意思」が、要件に含まれていません。
つまり、日本に永住するかどうかはまだ決めていない外国人や、就労ビザで日本に来ている外国人でも、現在、日本に住んでおり、保険の契約に必要な日本語の読み書きができる等の要件をクリアすれば、生命保険に加入することができるのです。
加入要件が厳しい保険会社では、生命保険への加入が断られた外国人でも、上記でご紹介したアクサダイレクト生命のように、外国人の加入を受け入れている保険会社であれば、生命保険に加入できる可能性はぐっと上がります。
生命保険への加入を希望する外国人の方は、保険会社が独自に設定している加入要件をしっかりチェックしておきましょう。
外国人が加入できる生命保険 選び方のポイント
次に、外国人が生命保険を選ぶ際のポイントについて見ていきましょう。選び方のポイントは、以下の4点です。
外国人が加入できる生命保険 選び方のポイント その
加入要件をチェックしよう
前のチャプターでご紹介したように、外国人が生命保険に加入する際の要件は保険会社によって異なります。
生命保険の加入を希望しても、要件を満たしていなければ加入できないため、保険への加入申し込みを行う前に、自分自身が加入要件を満たしているかどうか、事前に確認しておくと良いでしょう。
外国人が加入できる生命保険 選び方のポイント その
保険期間を考える
生命保険は、保障が受けられる期間によって、「終身保険」と「定期保険」の2種類に分けられます。「終身保険」と「定期保険」の違いは以下の通り。
≪ 終身保険と定期保険の違い ≫
終身保険
保障が一生涯続く生命保険。契約期間に定めがある定期保険と比較すると、保険料はやや割高になるが、解約時に、あらかじめ設定された保険料率を元に所定の解約返戻金がもらえるタイプが多い。
定期保険
5年間、10年間等、保険期間は一定期間に限定されるが、期間中万が一のことがあった場合、保障を受けることができる。解約返戻金がないタイプが多いが、その分保険料は安い。
日本に永住する予定の外国人であれば、終身保険がおすすめですが、日本での滞在期間がまだ確定できないという方は、保険期間が限られる代わりに保険料が割安な定期保険がおすすめです。
外国人が加入できる生命保険 選び方のポイント その
保障内容をチェックしよう
生命保険には、契約者が死亡した場合に保障が受けられるシンプルな保障内容のものと、医療保障が付帯するものがあります。保障を充実させたい場合は、死亡保障に医療保障が付帯したものを選ぶのがおすすめ。
また生命保険によっては、「災害割増特約」「リビング・ニーズ特約」「指定代理請求特約」等の特約を付帯させることで、さらに保障を充実させることも可能です。
生命保険を選ぶ際は、保障内容を確認し、万一の際に、必要な保障が受けられるものを選びましょう。
外国人が加入できる生命保険 選び方のポイント その
保険料を比較しよう
生命保険は、加入すると保険料を支払わなければいけません。収入に対して、あまりに高い保険に加入してしまうと家計を圧迫してしまう可能性もあるので注意しましょう。
最近は、保険の販売経路をインターネットに限定することでコストを削減し、割安な保険料を実現しているネット生保も登場しています。これらの保険会社の合理的な商品を上手に活用するのも選択肢の一つ。外国人が加入できる合理的な商品を探している方は、ネット生保も選択肢に入れ、自分に合った生命保険を選ぶと良いでしょう。
外国人の加入に対応した生命保険を比較
本チャプターでは、生命保険への加入を検討している外国人の方のために、保険比較編集部がおすすめする生命保険を厳選し、ご紹介します。
以下の情報を参考に外国人の加入を受け入れている生命保険の特徴を比較し、自分に合った商品を見つけましょう。
外国人の生命保険加入要件 |
基本的に以下3点をクリアできれば申込み可能。
※「在留カード」「特別永住者証明書」をご提出いただく場合がございます。 |
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保険期間 |
10年 ※保障期間終了後は80歳まで自動更新 |
保障内容(主契約) | 死亡保障・高度障害保障 ※病気・事故・災害を問わず保障 |
死亡保障額 | 500万円~1億円まで ※100万円単位で設定可能 |
保険料の試算 ※35歳、特約なし、月払い、10年契約の場合 |
保険金額1,000万円の場合 |
特徴
世界トップクラスの保険ブランド「アクサ」グループのネット生保「アクサダイレクト生命」が販売する定期型・掛け捨てタイプの生命保険。
「アクサダイレクトの定期保険2」は、「日本国内在住で、日本語および申込画面や約款の内容を正しく理解し、読み書きができること」「パソコンなどによるインターネット接続環境を継続して管理・利用できる方」等を外国人の加入要件として設定しており、他の生命保険と比較すると、外国人の加入に対して、門戸を開いている。また、インターネットでの販売に特化し、割安な保険料を実現している他、保険金額が高額になるほど保険料を抑えることができる「高額割引制度」を用意している点もチェックしておきたい。
さらに、日本の名医(総合相談位)によるセカンドオピニオンや、医師・看護師などへ24時間365日電話で健康相談ができるサービスが無料付帯する点も魅力。
「アクサダイレクトの定期保険2」は、外国人が生命保険への加入を検討するのであれば、有力な候補になる生命保険といえるだろう。
外国人の生命保険加入要件 |
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保険期間 |
10年間、20年間、30年間、65歳まで、80歳まで、90歳まで |
保障内容(主契約) | 死亡保障・高度障害保障 ※病気・事故・災害を問わず保障 |
死亡保障額 | 500万円~1億円まで ※100万円単位で設定可能 |
保険料の試算 ※35歳、特約なし、月払い、10年契約の場合 |
保険金額1,000万円の場合 |
特徴
2006年に設立し、ネット生保として、2012年に東証マザーズに初めて上場した「ライフネット生命」が提供する定期型・掛け捨てタイプの生命保険。
「日本語の読み書きができ、契約関係書類の理解ができる」「指定の本人確認書類が提出できる」ことを外国人の加入要件としており、数ある保険会社のなかでも外国人が加入するためのハードルは低い。また、保険期間を「10年間」「20年間」「30年間」「65歳まで」「80歳まで」「90歳まで」の6種類から選択できる他、保険金額は、500万円~1億円まで、100万円単位で設定できるので、ライフステージや目的に合わせて、自分に合ったものを選択すると良いだろう。
生命保険への加入を検討している外国人にとって、候補に加えるべき保険の一つであることは間違いない。
外国人が加入できる生命保険 ~まとめ~
外国人が加入できる生命保険について解説した今回の特集はいかがでしたか?
保険会社の一部は、外国人の保険加入に対する要件が厳しいことから、どの保険にも自由に入れるという訳ではありませんが、今回ご紹介したネット生保のように、外国人の保険加入に門戸を開き、且つ割安な保険料を実現しているケースも存在しています。外国人が生命保険への加入を検討する際は、まずは加入要件についてしっかり確認し、保険の内容や保険料も考慮した上で、自分が申し込みできるものを選ぶことが大切です。
保険にしっかり加入していれば、日本にいる間、万一のことがあった場合でも、必要な保障を受けることができ、今よりもさらに安心して日本での生活を送ることができるはず。
生命保険への加入を検討している外国人は、本特集の外国人におすすめの生命保険の情報もしっかりチェックし、自分に合った保険を見つけましょう。