保険の必要性を考える

子供の医療保険は必要か?

子供の医療保険は必要か?

子供が生まれたタイミングで、万一のケガや入院に備えるため、医療保険に加入すべきかどうか悩む方は多いでしょう。
現在、多くの自治体には小児医療費助成制度があり、子供が一定の年齢になるまでは、ほぼ無料で医療機関を受診し、治療を受けることができます。しかし、実際に子供が入院した場合、医療費以外にも様々な費用が発生することが多く、家庭の状況によっては備えが必要なケースも

そこで本特集では、「子供の医療保険の必要性」にスポットを当て、自治体の医療費助成制度の内容や、子供に医療保険が必要なケースと不要なケース、保険料が手頃なおすすめの医療保険等を紹介します。

自治体の医療費助成は万能? 子供の入院時にかかる費用とは

子供の医療費助成は、子育て世代にとって非常に手厚い行政サポートの一つです。ただし、助成が適応される子供の年齢や、助成の対象となる医療費(入院・通院)は、それぞれの自治体ごとに異なり、親の所得によっても制度の対象外となる場合があります。

≪ 自治体による小児医療費助成制度の違い ≫

自治体 対象年齢 所得制限 対象となる医療費 自己負担金
千代田区(東京都) 0歳から18歳まで なし 入院・通院 なし
厚木市(神奈川県) 0歳から中学校卒業まで なし 入院・通院 なし
横浜市(神奈川県) 0歳のみ なし 入院・通院 なし
1歳から小学3年生まで あり なし
小学4年から中学卒業まで 入院のみ なし
大阪市(大阪府) 0歳から小学校修了まで なし 入院・通院 1医療機関ごと1日当たり最大500円(月2日限度)
中学校修了まで あり
那覇市(沖縄県) 0歳から6歳まで なし 入院・通院 3歳以上の通院医療費は1ヶ月1医療機関ごとに1,000円負担
7歳から中学校卒業まで 入院のみ
南富良野市(北海道) 0歳から22歳まで なし 入院・通院 なし

また、医療費助成の終了後は、入院・通院ともに大人と同様の自己負担額(一般的には3割)が必要になります。そのため、子供の万一の入院やケガが気になる場合は、医療費助成が終了するタイミングでの医療保険加入がおすすめ
特に、子供がスポーツ系の習い事や自転車通学などをしている場合は、なんらかの医療保障を準備しておくと安心です*

* ただし、習い事の運営会社等の勧めで「スポーツ障害保険」に加入している場合や、家庭内で「自転車保険」に加入している場合は、そちらでカバー可能な場合も。また、学校内でのケガや事故に対しては、各学校が災害共済給付制度に加入し、そちらでカバーするケースが一般的です(所定の免責金額あり)。

子供の入院では医療費以外にも様々な費用がかかる

なお、子供がまだ小さく、医療費助成の適用期間中であっても、入院や大きなケガなどのケースでは医療費以外に様々な自己負担費用が発生する場合があります。

入院時に発生する自己負担の例

  • 個室代(差額ベッド代)
  • 付き添い入院時の親の食費や温浴施設(銭湯)などの利用料
  • 衣類の洗濯(コインランドリー)
  • 家事代行サービスの利用料
  • 自宅と病院の往復交通費

さらに、自営業などで給与保障(有給休暇等)がない場合は、子供の入院や通院の付き添いで仕事を休むあいだの収入減も視野に入れておく必要があります
医療費助成だけではカバーしきれないこれらの費用について、どの程度備えられているかも、医療保険の要不要を決める重要なポイントです。

子供の医療保険が必要なケース&不要なケース

子供の医療保険が必要なケース

  • 医療費助成が手薄な地域に住んでいる
  • 貯金が少ない=万一の入院時等に充てられる余裕資金がない
  • 自営業である(付き添い入院時などに収入が途絶える)
  • 子供の入院・自宅療養時に看護できる人手がない(夫婦共働き、実家や頼れる友人が近隣にいない等)
  • 子供に先天性の疾患がある

子供の医療保障としておすすめなのは、掛金が手頃な共済です。「こども型」の掛金は月々1,000円からと家計に優しいうえ、毎年の決算状況に応じて割戻金(掛金の還付)も受けられます。「こども型」の共済は満18歳や満20歳までカバーするタイプが多いため、満期後は「成人型」に移行したり、民間の医療保険に乗り換えたりと、必要な保障や家計の状況に応じて選ぶと良いでしょう。

一方、民間の医療保険は、加入時と同じ内容の保障が成人後も継続するタイプが多く、子供が独立したあとも一定の医療保障を準備したい場合に向いています。子供のうちの加入であれば、終身保険であっても保険料は低め。保障の内容を把握しやすいシンプルな商品を選ぶと良いでしょう。

≪ 子供におすすめの共済&医療保険 ≫

都道府県民共済「こども型」

都道府県民共済「こども型」・画像

掛金・保険料(月額)
0歳時加入1,000円
15歳時加入1,000円
保険期間 0~満18歳まで
入院
  • 事故・病気…日額5,000円
※1日目から360日目まで
通院
  • 事故…日額2,000円
※1日目から90日目まで
手術 2万円・5万円・10万円・20万円
先進医療 1万円~150万円
がん診断 50万円
後遺障害
交通事故12万円~300万円
不慮の事故8万円~200万円
死亡・重度障害
交通事故500万円
不慮の事故400万円
病気200万円
重度障害割増1回50万円(最高10回まで)
犯罪被害死亡 200万円
契約者の死亡
交通事故・不慮の事故500万円
病気50万円
第三者への損害賠償 1事故につき支払限度 100万円(免責1,000円)

オリックス生命「新CURE(キュア)」

オリックス生命「新CURE(キュア)」・画像

掛金・保険料(月額)
0歳時加入男:1,000円、女:1,047円
15歳時加入男:1,087円、女:1,242円
保険期間 終身
入院
  • 病気・ケガ…日額5,000円
※1日目から60日目まで(7大生活習慣病は120日目まで、3大疾病は無制限
通院 なし
手術
  • 外来…2.5万円
  • 入院…10万円
※回数無制限
先進医療 先進医療にかかる技術料と同額
※2,000万円限度
がん診断 特約で付帯可能
後遺障害 なし
死亡・重度障害 なし
犯罪被害死亡 なし
契約者の死亡 なし
第三者への損害賠償 なし

子供の医療保険が不要なケース

  • 子供の医療費助成が手厚い地域に住んでいる
  • ある程度まとまった貯金がある
  • 子供の入院・自宅療養時に看護の人手がある(専業主婦or主夫、実家や頼れる友人が近所にいる等)
  • 親が会社員(有給休暇・看護休暇等の休業補償がある)

まとめ

子供の医療保険は必要か?

特集「子供の医療保険は必要か?」いかがでしたでしょうか。
子供の医療保険は、自治体の医療費助成の内容や親の職業、家庭の貯蓄状況等で必要か不要かが分かれます。
特に意識しておきたいのは医療費助成の終了年齢によって、子供の医療保険を検討する時期が異なる点と、子供の入院や大ケガには医療費だけではない様々な追加の費用がかかる点です。

子育て世代は、子供の養育費や自分たち自身の老後資金など、今後必要になるお金も多いため、迷う場合は、とりあえず目の前の貯金を優先させるのも一つの方法。
加入する際は、家計の負担になりにくい保険料の手頃な商品をしっかり見極め、子供の医療保障を準備すると良いでしょう

医療保険はいざという時に活躍してくれる備えです。子供の病気やケガが気になるという方は、医療保険を上手く活用し、万一の際にしっかり備えつつ、家計の負担も考慮しながら、必要な保障を必要なタイミングで検討するようにしましょう。

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