保険まめ知識

第34回 自動車保険の乗り換えタイミング

自動車保険、どのタイミングで乗り換えたらいい?

自動車保険、どのタイミングで乗り換えたらいい?

自動車保険の乗り換えを検討する場合、「いつ乗り換えるか?」のタイミングについても気になっている方は多いのではないでしょうか。
「なんとなく満期時だと思っていたけれど、それ以外にもタイミングがあるの?」「2年契約の自動車保険を、契約途中で変更することはできる?」等、ドライバーにおなじみの自動車保険も、乗り換え時の手続きや注意点については、意外に知られていません。

自動車保険の乗り換えは、今までと比較して保険料が下がる(上がる)ことがはっきりしているタイミングで行うのがおすすめです。代表的なタイミングは契約が満期を迎えた時ですが、様々な事情で契約期間中に乗り換えをしたいという場合も、所定の手続きを踏めば乗り換えることは可能。
しかしながら、今加入している保険を解約して、新しい自動車保険に乗り換えるのは、等級進行が遅れたり、無保険期間や補償重複期間が発生する可能性があるなど、デメリットが存在するものです。

本特集では、自動車保険の乗り換えに有利なタイミングと、乗り換え時にチェックしたいポイント・注意点について解説します。

自動車保険の乗り換えタイミングは契約満期時が一般的

自動車保険の乗り換えタイミングは契約満期時が一般的

自動車保険を見直すのは、契約期間(多くの場合、1年間)の満期時、という方がほとんどでしょう。事実、契約満期時は、自動車保険を、もっとも手間なく、有利に乗り換えられるタイミング。また、もっとも一般的なタイミングでもあります。

契約期間が満期を迎えて乗り換える場合、保険期間中に無事故であれば、ノンフリート等級は1段階アップします。等級が上がれば、自動車保険の割引率も上がるため、一般的には現在の自動車保険の等級が20等級に達していない場合や、料率クラスの変更等がない場合であれば、同じ内容で保険を継続しても、自動的に保険料は下がります。

しかし、中には、満期前に現在の保険会社から提示された更新後の自動車保険料を見て、「もう少し安くなると嬉しいのに」と感じるケースもあるでしょう。その場合は、更新のタイミングで、他社の自動車保険にも見積りを取り、保険料を比較してみましょう。
特に、ダイレクト型(通販型)の自動車保険では、インターネット経由の契約で保険料を割引くなど、新規加入者向けの特典が充実しています
また、最近では、保険始期日の1ヶ月以上前に契約することで、保険料を割引く、「早期割引」を導入している保険会社もあります。

満期以外で自動車保険の乗り換えを検討する場合

前述の通り、自動車保険は満期時に乗り換えを検討するのが一般的ですが、以下のようなケースが発生した場合は、一度、自動車保険の乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。

例1.子供が運転免許を取得し、車を運転するようになった

一般的に、免許を取得したばかりの年齢が若いドライバーは、自動車保険料が高めに算定される傾向があります。たとえば、新たに運転免許を取得した子供が、親の自動車保険に追加で加入する場合などは、子供の年齢に合わせて保険料が高額になるケースがほとんど。
しかし、一部の自動車保険は、主な運転者がこれまでと変わらず親のままであれば、親の年齢を基準に、子供を運転者として加えることで、保険料の大幅な増額を抑えています
運転者の増減、特に、子供などの年齢の若い家族が運転者となった場合には、このような保険料体系の自動車保険をチェックしてみましょう。

≪ 家族内の運転者が増えた場合にチェックしたい自動車保険 ≫

セゾン自動車火災保険 おとなの自動車保険

セゾン自動車火災保険 おとなの自動車保険

ダイレクト型の自動車保険。一般的な自動車保険は、運転者に子供を追加すると「運転者年齢条件」が変更され、保険料が高くなるケースが多いが、おとなの自動車保険では、「主な運転者」の年齢に合わせた保険料体系を採用。また、事故率の低い40代・50代の自動車保険料が割安に設定されている。インターネット経由の申し込みで、新規契約・継続契約とも保険料が10,000円割引(※)になる。

※ 分割払の場合は、9,960円の割引

例2.車の使用目的や利用頻度が大きく変わった

転勤や異動、転職などの理由により「車通勤でなくなった」「車の利用頻度が変わった」というような場合も、乗り換えを検討するきっかけの1つとなります。
たとえば、車の使途が「通勤・通学」から「日常・レジャー」に変わると、保険料の算定基準が変わるため、自動車保険料が安くなる可能性が高くなります。また、車の利用頻度が変わることで年間の走行距離も短くなり、保険料が変化する場合も多いでしょう。

≪ 車の使用目的や走行距離が変化した場合に検討したい自動車保険 ≫

ソニー損保 自動車保険

ソニー損保 自動車保険

ソニーグループのダイレクト型自動車保険。予想年間走行距離に応じた保険料体系を導入しており、走行距離が短いほど、保険料が安くなる。また、予想年間走行距離に満たなかった場合は、その保険料を翌年に繰り越し可能。インターネット経由での新規申し込みで10,000円の割引(※)を受けることができる。

※ 支払回数によっては記載の割引額ちょうどにならない場合があります。

自動車保険の乗り換え時の注意点・チェックしたいポイント

満期時以外で自動車保険の乗り換えは可能ではありますが、満期時以外で自動車保険を乗り換える場合は、何点か注意しなければならないポイントがあるので、要チェックです。

契約期間はどの程度残っているか

自動車保険の保険期間は1年間が主流ですが、中には2年間・3年間の自動車保険もあります。まずは現在加入している自動車保険の契約期間を確認しましょう。
満期まであと少し、という場合は、契約満期時の乗り換えがおすすめ。満期のタイミングで乗り換えられれば、解約手続きも不要となり、簡単に自動車保険の乗り換えを行うことができます。また、保険会社によっては、早期割引を適用できるケースもあります。

一方で、一刻も早く保険会社を変更したいという場合は、期間中の乗り換えも不可能ではありません。ただし、後述の注意点がありますので、この点も踏まえた上で、乗り換えを検討しましょう。

ノンフリート等級の繰り上がりが遅れる

期間中の乗り換えは決めた保険始期日が設定されるので、ノンフリート等級の繰り上がり時期が遅れることになります。

解約手続きと申込み手続きの両方の手続きが必要

そもそも、自動車保険の乗り換えには、解約手続きと申込み手続きの両方を同時に行わないと補償が無い期間、または補償が重複する期間が生じるデメリットが存在します。また、解約手続きと申込み手続きが、同日でないと引受不可の場合もあるので、保険会社へ確認しましょう。

保険期間通算特則を利用することで、保険期間に合わせて1年とすることができますが、この特則が利用可能か保険会社に確認する必要はあります。

自動車保険の各種割引制度

保険会社ごとに、保険料の割引制度・割引額は異なります。自分の状況に合った割引があるかどうかも、自動車保険を乗り換える際に注目したいポイントです。

例えば、現在代理店型の自動車保険に加入しているようであれば、ダイレクト型(通販型)自動車保険のインターネット割引や証券不発行割引などが適用されることで、自動車保険料を大きく節約できる可能性があります。ダイレクト型自動車保険の多くは、保険料の試算もインターネット上で簡単に行うことができるので、ぜひ比較してみましょう。

その他、自動車保険には以下のような割引制度も用意している保険会社もあるので、要チェックです。

  • 証券不発行割引:自動車保険の保険証書を発行しないことで受けることのできる割引
  • 新車割引:新車で保険に加入する際の割引制度。※「新車」の定義(初度登録からの経過期間等)は保険会社により異なる
  • 早期割引:保険開始日の一定期間より前(1ヶ月以上など)に契約することで受けられる割引

乗り換えは節約のチャンス

乗り換えは節約のチャンス

自動車保険の乗り換えは、多くの場合、満期のタイミングで行うのがもっとも一般的で簡単であり、保険料(等級)の面でも有利です。しかし、様々な状況の変化で、契約当初と状況が大きく変わってしまった場合は、思い切って保険会社そのものを乗り換えることも不可能ではありません。特に、今後の将来を考え、複数の自動車保険を比較し、保険料が大幅に有利な保険会社を見つけることができた場合などは、保険期間中の乗り換えも視野に入ってくるでしょう。

今回、ご紹介したようなケースで、自動車保険料が大幅に変化する可能性が高い方は、前述の様々な注意点も参考に、ご自身にとってベストの自動車保険を選んでみてはいかがでしょう。

Writer:久我裕紀

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