子供が入れるおすすめの共済を比較!JA、コープ、県民共済の違いとは?
公開日:
子供の共済は、それぞれに個性豊か
共済は、特定の地域や職業の人々が「相互扶助」の目的で運営する組織です。
特に有名なのが、全国規模で展開するコープ共済や県民共済(都道府県民共済)など。
リーズナブルな掛金で手厚い保障を受けることができる「保険に似たサービス」として、既に加入している方も多いのではないでしょうか。
お子さんをお持ちの保護者の方であれば、「子供を対象とした共済もあるの?」と気になる方もいるはず。
子供向けの共済は、病気やケガによる入院・手術・通院をカバーする医療保険に似たタイプや、子供の大学進学費用を貯めるための学資保険に似たタイプなど、バリエーション豊富です。
民間の保険と比較すると、保険金(掛金)も手頃なものが多い傾向があります。これは、共済が特定の組合によって運営され、組合員のみを対象とする非営利の団体であることが理由のひとつ。
もともと割安な掛金に加えて、決算後の剰余分が「割戻金」として還付されるなど、コストパフォーマンスに優れている点も共済の強みでしょう。
今回は、「子供が入れるおすすめの共済」をテーマに、おもな共済が提供する子ども向けのプランを比較。それぞれの共済の特徴を解説します。
目次
子供が入れるおすすめの共済を比較 その1コープ共済「たすけあいジュニア20コース」
医療保障が充実!個人賠償責任保険(示談交渉つき)を追加できる
コープ共済は日本生活協同組合連合会が運営する共済事業です。
医療保障型のプラン「たすけあい」では、20歳未満の子供を対象にした「ジュニア20コース」を提供。
掛金は月額1,000円と月額2,000円のどちらかから選択することができます。
保障内容は、医療保障と死亡保障が付帯しており、医療保障では入院・手術・通院・長期入院などをカバー。死亡保障では、子供本人と保護者のそれぞれに保障が付帯しています。
また、コープ共済の大きなメリットとして、月140円を追加することで、最大3億円までの個人賠償責任保険を付帯できる点があげられます。
個人賠償責任保険は、物を壊したり、他人にケガをさせたり、といった損害賠償責任を負った場合の費用を補償する保険。子供が自転車事故を起こした場合に、高額な損害賠償金を課せられる事例が増加したことで注目されるようになりました。
現在、多くの自治体が子供の「自転車保険」への加入を義務化しています。
ただし、自転車保険の主契約は、個人賠償責任保険と同じ賠償責任補償です。つまり、共済に個人賠償責任保険を付帯することで、自転車保険の代用とすることもできます。
- たすけあいジュニア20コースのおもな特徴
-
- 加入可能年齢:0歳から満19歳まで
- 通院中や服薬中でも加入できる場合あり(加入条件がゆるやか)※J1900円コース
- 医療費助成制度で自己負担がなくても請求できる場合がある
- 対象手術であれば日帰り手術でも支払対象
コープ共済・たすけあいジュニア20コースの保障内容
共済掛金 | 月額1,000円、月額2,000円 | |
---|---|---|
割戻率※ | 16.4~16.7%(2018年度分・2019年8月6日時点)※J1900円コースを除く | |
医療保障 | 入院 | 日額 6,000円、日額 10,000円 |
通院 | 日額 2,000円、日額 3,000円 | |
手術 | 5・10・20万円、10・20・40万円 | |
長期入院 | 36万円、60万円 | |
事故後遺障害 | 14~350万円、28~700万円 | |
死亡保障 | 病気死亡・重度障害 | 100万円、500万円 |
事故死亡・事故重度障害 | 上記にプラス50万円、上記にプラス300万円 | |
親死亡・親重度障害 | 4万円、20万円 | |
扶養者事故死亡・扶養者事故重度障害 | 100万円、700万円 | |
先進医療特約 | 月掛金100円 | 支払限度額1,000万円 |
個人賠償責任保険 | 月額保険料140円 | 最高3億円(示談交渉サービス付) |
2018年度決算_コース別割戻金_対象掛金試算.xlsPDF
子供が入れるおすすめの共済を比較 その2都道府県民共済「生命共済 こども型」
医療保障・個人賠償責任保険が自動付帯する
都道府県民共済は、全国に展開する共済組合です。提供するエリアごとに「県民共済」「都民共済」「府民共済」など、呼称は変わりますが、保障内容は原則として変わりません。
医療保障と死亡保障を重点的にカバーする「生命共済」のラインナップに、満18歳までの子供をカバーする「こども型」があります。
掛金は月額1,000円と月額2,000円から選択可能。
掛金や保障内容が似ているコープ共済と比較すると、都道府県民共済では、がんと診断された場合の一時金(100万円)や先進医療の保障が標準で付帯している点が大きな特徴です。
また、死亡保障の内容が手厚く、交通事故の死亡共済金や後遺障害共済金は金額が高め。犯罪被害死亡時の共済金が設けられているところも特徴的です。
毎年、決算期のあとで契約者に剰余金を還元する「割戻金」の率も、こども型22.88%(2018年度分)と高く、コストパフォーマンスの良い共済と言えるでしょう。
- 生命共済 こども型のおもな特徴
-
- 加入可能年齢:0歳から満17歳まで
- 通死亡保障が手厚い(子供本人、保護者とも)
- 先進医療、がん診断時の保障が標準で付帯
- 割戻金の率が高い
都道府県民共済・生命共済 こども型の保障内容
共済掛金 | 月額1,000円、月額2,000円 | |
---|---|---|
割戻率※ | こども型22.88%(2018年度分・都民共済の場合) | |
医療保障 | 入院(360日目まで) | 日額5,000円、日額10,000円 |
通院 | 日額 2,000円、日額 4,000円 | |
がん診断 | 100万円 | |
手術 | 2・5・10・20万円、4・10・20・40万円 | |
先進医療 | 1万円~150万円、1万円~300万円 | |
後遺障害 | 交通事故 | 1級300万円~13級12万円、1級600万円~13級24万円 |
不慮の事故 | 1級200万円~13級8万円、1級400万円~13級16万円 | |
死亡・重度障害 | 交通事故 | 500万円、1,000万円 |
不慮の事故 | 400万円、800万円 | |
病気 | 200万円、400万円 | |
重度障害割増(年金、最高10回) | 1回につき50万円、1回につき100万円 | |
犯罪被害死亡 | 200万円、400万円 | |
契約者の死亡(事故) | 500万円、1,000万円 | |
契約者の死亡(病気) | 50万円、100万円 | |
第三者への損害賠償(免責1,000円) | 1事故につき支払限度100万円、1事故につき支払限度200万円 |
子供が入れるおすすめの共済を比較 その3JA共済「こども共済」
100%を超える給付率を実現!学資保険として使える
JA共済はJA(農業協同組合連合会)が全国規模で展開する共済事業です。農協組合員の相互扶助組織ですが、農家組合員以外も、出資金(金額はそれぞれの地域のJAにより異なる)を支払うことで、准組合員としてJA共済に加入することができます。
JA共済が提供する「こども共済」は、他の子供向けの共済とは異なり、民間の「学資保険」に近い内容。
「学資応援隊」「にじ」「えがお」という3つのプランのうち、「学資応援隊」では、支払った掛金に対して、受け取れる学資金の戻り率が100%を超える(支払うお金よりも受け取れるお金のほうが多くなる)貯蓄率の高さが特徴です。
また、契約者(親権者、祖父母など)に万一のことがあった場合は、掛金の払込を免除する「共済掛金払込免除制度」が付帯。
その他、死亡・後遺障害の保障や、契約者以外の指定代理人が共済金を請求できる「指定代理請求特約」も付帯しています。
なお、死亡保障をより手厚くしたプランとして「にじ」(死亡共済金・最高500万円)と「えがお」(同1,700万円)もありますが、「学資応援隊」と比較すると貯蓄効果は薄れ、満期時に受け取る学資金は支払う掛金よりも少なくなるため、注意が必要です。
こども共済の割戻金は、契約3年目から発生し、毎年の決算よって割戻率が変動します。割戻金は原則積立となり、満期時に共済金とともに支払われるか、契約期間中に引き出すこともできます。
- こども共済のおもな特徴
-
- 加入可能年齢:子供0歳から12歳まで、契約者18~75歳まで
- 貯蓄性重視の「学資応援隊」は返戻率100%超
- 子供の出生140日前から加入可能
- 学資金の受取りは、進学時期に合わせた中学・高校・大学プランから選択可能
JA共済・こども共済の保障内容
- 試算条件(契約例)
-
- 子供0歳、父親30歳
- 共済金額300万円
- 共済期間22歳満期
- 学資金支払開始年齢18歳
- 共済掛金払込終了年齢18歳
- 指定代理請求特約あり
共済掛金 | 年払162,441円(月払14,127円)※上記試算条件の場合 | |
---|---|---|
返戻率 | 102.6%(上記試算条件において、掛金を年払いにした場合) 105.7%(上記試算条件において、掛金を年払いにし、共済掛金払込終了年齢を12歳にした場合) |
|
保障内容 | 学資金 | 【総額300万円】
|
後遺障害 | 300万円 | |
死亡保障 | 掛金払込期間中:経過年数に応じた額 掛金払込終了後:300万円 |
|
後遺障害 | その他 |
|
子供の共済は内容も掛金もバラバラ。それぞれの特徴を把握して、必要なものを選ぼう!
「子供の共済」と一口に言っても、それぞれの共済が提供する子ども向けプランの内容はバラバラです。
医療保障型の共済は、リーズナブルな掛金で通院時の保障や親の死亡保障が付帯している点が大きなメリット。また、貯蓄型の共済は、民間の学資保険の予定利率が下がっている現在、魅力的な返戻率を提供していると言えます。
子供の共済について検討中の方は、それぞれの共済の特徴を把握して、必要なプラン・保障内容のものを選びましょう。