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有力外資の撤退で新たな競争も。ダイレクト型自動車保険に改めて注目

昨年の保険関連のニュースで、最も大きな話題を呼んだのは、ダイレクト損保の老舗の一角「アメリカンホーム保険」が、2016年4月1日から日本で全ての保険商品の販売活動を停止したことではないでしょうか?
今月の保険比較ニュースはアメリカンホーム保険の日本市場撤退に改めて注目。今後のダイレクト型自動車保険の市場にどういう変化が起きるのかを予想します。

アメリカンホーム保険は1997年に日本で事業を開始し、日本初のダイレクト型自動車保険を販売、一時は高いシェアを獲得していました。
そのアメリカンホーム保険が業績不振に陥り、撤退まで至った原因は何でしょうか?保険比較 編集部は、以下の3点を主な理由と考えています。

  1. 1競争の激化による商品力低下
  2. 2事故対応含む顧客満足度の低下
  3. 3日本のダイレクト型自動車保険のシェアと低成長率

アメリカンホーム保険が自動車保険に参入した1997年には、なじみの薄かったダイレクト型自動車保険ですが、現在では外資、日系含め、様々な損害保険会社が参入。競争が激化しています。
ダイレクト型自動車保険であるという事自体は、もう特徴とは言えず、商品の特徴で勝負しなければいけない状況の中、アメリカンホーム保険はその判断に失敗し、事業環境が悪化した側面は否めないでしょう。

保険比較が運営する自動車保険比較・評判 2020や、関連サイトの自動車保険ランキングに投稿される自動車保険の口コミを分析すると、ユーザーは契約する商品を選ぶ際、その商品力だけではなく、ロードサービスや事故対応の質を重視していることがわかります。
アメリカンホーム保険は、上記の比較やランキングはもちろんですが、他の第3者機関が実施する顧客満足度調査でも下位を低迷することが増えていました。実際の業績を見ても2004年をピークに、一貫して低下しており、顧客満足度の低下も売り上げ減の要因になっていると考えられます。

自動車保険・イメージ画像

最後の3点目は日本のダイレクト型自動車保険のシェアと低成長率が挙げられます。日本国内の自動車保険の市場規模は約3兆8,768億円。このうち損害保険大手4社が3兆1,896億円と8割以上を占めています。
つまり日本国内のダイレクト型自動車保険のシェアは、まだ2割にも満たないのです。保険商品が最も発達している国の1つイギリスでは、ダイレクト型自動車保険のシェアが50%を超えていることから、日本ではダイレクト型自動車保険の浸透が遅れていると言えるでしょう。その一方で日本は人口が減っていく成熟社会であり、自動車保険の契約数の伸びしろが大きい訳ではありません。

このような市場環境が、アメリカンホーム保険に撤退を判断させた要因であることは間違いないでしょう。

ちなみにアメリカンホーム保険が撤退するということは、アメリカンホーム保険の契約者が、最終的に他の損害保険に移るという事でもあります。
自動車保険に関しては、ダイレクト型自動車保険最大手のソニー損保が契約を引き受けることになっているため、特に心配する必要はありませんが、他の自動車保険に乗り換えるユーザーも出てくるはずです。

アメリカンホーム保険の売り上げは100億を超えていたことから、損害保険各社はこのユーザーを取り込むため、切り替えが本格化する2017年度に、より積極的な新規入会キャンペーンを実施することが予想されます
※アメリカンホーム保険のユーザーをターゲットにした乗り換えキャンペーンは、コンプライアンスの関係から難しい可能性があるため、全てのユーザーを対象にしたキャンペーンになることが予想されます。つまり、アメリカンホーム保険を利用していないユーザーは、上手くキャンペーンに便乗することで、お得に自動車保険を契約できる可能性があります。

自動車保険の契約が満期に近づいてきている方は、自動車保険比較や各種ランキングを参考に、よりお得で満足度の高いダイレクト型自動車保険への乗り換えを検討してみてはいかがでしょう?

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