保険まめ知識

第12回 自動車保険の等級と事故

目次
1. 自動車保険の等級と保険料
2.保険料が上がる場合に検討したい自動車保険の乗り換え
3.保険料が手頃なおすすめの自動車保険

1.自動車保険の等級と保険料

自動車保険には、契約者の事故履歴によって保険料の割引・割増が決まる「ノンフリート等級」制度があります。

ノンフリート等級は事故を起こすことで下がり、それに伴い保険料の割引率も大幅にダウン。さらに、2012年4月からスタートした新等級制度では、「事故あり」ドライバーと「事故なし」ドライバーの割引率に差を設けるなどして、一度事故を起こすと保険料の割引率が回復するまでに時間がかかるようになりました

交通事故の削減や自動車保険の赤字回復を図るために導入された新等級制度ですが、保険料の値上げがドライバーにとって手痛い出費であることに変わりはありません。

ここでは、前年に交通事故を起こしたり、不慮の事故で車両保険を使うなどして等級が下がってしまった場合に知っておきたい自動車保険選びのポイントを解説します

自動車保険の等級のしくみ

自動車保険のノンフリート等級は、全部で20等級に分かれています。4等級から20等級のドライバーの場合は、等級と事故の有無に応じて2%から最大63%まで保険料が割引され、1~3等級のドライバーの場合は、12%から最大64%の保険料割増となります。

なお、初めて自動車保険に加入するドライバーの場合、等級は6等級からスタートし、保険料はドライバーの年齢によって-9%の割引から+28%の割増となります。

等級は、前年が無事故であれば毎年1等級ずつアップしていきますが、1度事故を起こすと、いっきに3等級(事故内容によっては1等級)ダウンしてしまいます。また、事故を起こした翌年からは、「事故あり」等級となり、3等級ダウン事故では3年間、1等級ダウン事故では1年間、無事故ドライバーよりも少ない割引率が適用されることになります。

ノンフリート等級のしくみ

ノンフリート等級のしくみ

コラム 3等級ダウン事故と1等級ダウン事故、ノーカウント事故の違い

自動車保険の「事故」は、事故の内容によって「3等級ダウン事故」「1等級ダウン事故」「ノーカウント事故」に分かれます。保険金を請求するほとんどの事故は「3等級ダウン事故」となりますが、自然災害などを原因とする車両保険は「1等級ダウン事故」、運転者や同乗者のケガのみを補償する場合は「ノーカウント事故」となります。

対人・対物事故だけでなく車両保険を使用した場合にも等級が下がるため、事故を起こした際は自動車保険を使うか否かをシビアに判断する必要があります

≪ 3等級ダウン事故と1等級ダウン事故、ノーカウント事故の違い ≫

3等級ダウン事故 1等級ダウン事故・ノーカウント事故以外で保険金を請求した事故
1等級ダウン事故 特定の原因による車両保険事故
1等級ダウン事故のおもな原因
火災・爆発
盗難、騒じょう、労働争議
台風、たつ巻、洪水、高潮
落書、いたずら
窓ガラス破損
飛来中または落下中の他物(飛び石、落石、ひょう等)との衝突
その他偶然な事故によって生じた損害
ノーカウント事故
ノーカウント事故のおもな原因
搭乗者傷害保険
人身傷害保険
無保険車傷害特約
弁護士費用補償特約
原付特約
ファミリー傷害特約
ファミリーバイク特約

2.翌年の保険料が上がる場合に検討したい自動車保険の乗り換え

ここまで見てきたように、交通事故を起こすと等級はダウンし、翌年の保険料が大幅にアップしてしまいます。
たとえば、現在12等級のドライバーが事故で9等級にダウンすると、翌年の保険料は+26%アップ。仮に今年の保険料が6万円だったとすると、翌年は7万5,600円にもなる計算です。

ただし、自動車保険の保険料は、保険会社によって大きく異なります。同じ保険会社の自動車保険を継続すれば1.26倍になる保険料も、保険料の手頃な自動車保険に乗り換えることで、保険料アップの幅を狭めることができます

特に注目したいのが、大手損保が提供する「代理店型」の自動車保険と、代理店を経由しない「ダイレクト型」の自動車保険の違いです。中間マージンが発生しないぶん、「ダイレクト型」の自動車保険の保険料は総じて「代理店型」よりも低め。
今まで「代理店型」の自動車保険に加入していた人は、「ダイレクト型」に乗り換えるだけでも保険料を大幅に下げられるでしょう

さらに、自動車保険の中には、自社の自動車保険の新規契約者に対して保険料の割引率を高くしているところもあり、初回の保険料は特に手頃となる可能性があります。

3.等級が上がり、保険料が見直しになった人におすすめの自動車保険

おとなの自動車保険

セゾン自動車火災保険(おとなの自動車保険)

ダイレクト型の自動車保険。事故率の低い40代、50代の保険料が同商品内、同条件において、他世代と比較して手頃。また、家族のうち「主な運転者」の年齢を保険料算定の基準とするため、家族が加入した際の保険料アップが少ない。インターネットでの契約の申し込み手続きによる保険料割引は新規・継続とも10,000円※分割払の場合は、9,960円の割引。

SBI損保(自動車保険)

SBI損保(自動車保険)画像

ダイレクト型の自動車保険。保険料が年間走行距離によって変動しないため、通勤等で自動車の利用頻度が高いドライバーにおすすめ。保険料割引は新規・継続ともに10,000円。新規入会者向けのプレゼントキャンペーンが充実しているので上手く活用したい。

ソニー損保(自動車保険)

ソニー損保(自動車保険)画像

ダイレクト型自動車保険でNo.1の販売実績を誇る。走行距離に応じて翌年の保険料が決まる。
保険料割引は新規契約で10,000円、継続では2,000円。継続契約の場合は、福利厚生サービス「クラブオフ」のVIP会員となり、映画の前売券割引や宿泊施設の優待等、様々な特典を利用できる。

まとめ

2012年4月に新しいノンフリート等級制度が始まったことで、事故を起こした場合の自動車保険料は大きく引き上げられることとなりました。
車は安全運転第一で、自動車保険はあくまで「保険」であることが理想、とはいえ、万一事故が起きれば、自動車保険料以外にも車の修理代等で少なくない出費を負担しなくてはなりません。

事故を起こした時は、自動車保険を見直すタイミングの一つです。今まで毎年同じ自動車保険を契約していた人も、保険を使わざるを得なかったときは、翌年の保険料を考慮し、自動車保険の乗り換えを検討してみてはいかがでしょう。

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