保険の必要性を考える

就業不能保険は必要か?

「生きる」に備える保険

「生きる」に備える保険

就業不能保険とは、病気や怪我などで就業することができない場合に、毎月一定額の保険金が支払われる保険商品です。似たものに、損害保険会社の所得補償保険がありますが、就労不能保険と比べ保障期間が短く、長期の就労不能状態には適していませんでした。

日本ではまだまだ一般的なものではありませんが、保険は死亡時に備えるものだけではなく、生きている間の保障も重視され始めていると言えるでしょう。
本特集では「就業不能保険は必要か」をテーマに、就業不能保険が必要なケースと、どれくらいの保険料でどれだけの保障を受けることができるのかについて解説します

就業不能保険とは?

就業不能保険は、働くことができなくなった場合に、日々の生活費を補償してくれる新しいタイプの保険商品です。病気や怪我によって所定の就業不能状態*になり、一定期間以上が経過すると、契約時に設定した保険金が毎月支払われる仕組みです。保険金は、保険期間の満了、もしくは就業可能な状態になるまで受け取ることができます。

* 就業不能状態…【ライフネット生命の例】以下のいずれかが180日を超えて継続したことが医師によって診断された場合。
(1)病気やケガの治療を目的として日本国内の病院または診療所で入院している状態。
(2)日本の医師の指示を受けて在宅療養をしており、職種を問わず、すべての業務に従事できない状態。
参考:ライフネット生命「就業不能状態とは?」 ※保険会社により就業不能状態の定義は異なります。

健康保険の「傷病手当金」、国民年金や厚生年金の「障害年金」とはどう違うの?

病気や怪我で長期の休職を余儀なくされた場合、公的な保障としては、健康保険の「傷病手当金」や、国民年金・厚生年金の「障害年金」などがあります。

会社員の方で社会保険に加入している方が病気や怪我をした場合、休職開始から4日目以降は健康保険から「傷病手当金」を受け取ることができます。
しかし、傷病手当金の金額は収入の3分の2ほど、支給期間には最長で1年6ヶ月という制限が設けられています。療養中は月々の支払いに加え、病気治療費も必要となるため、貯蓄が十分にない場合には家計を圧迫することも考えられます。

また、同じく公的な制度として、厚生年金や国民年金から支給される「障害年金」がありますが、支給を受けるためには法的に定められた障害等級表をもとに、所定の障害状態にあることを認定される必要があり、認定されなかった場合には無収入の期間が生じることも考えられます。

民間の「医療保険」との違いは?

病気や怪我への備えとして、医療保険に加入している方も多いでしょう。ただし、医療保険は医療費を補うための保険で、収入を補うものではありません。そのため、入院や手術が給付金支払いの条件となっていることが多く、自宅療養等はそもそも保障対象外ということがあります。

就業不能保険は、上記のような公的保障や民間の医療保険がカバーしきれない「長期の休業」「障害年金の支給対象外の障害」「自宅療養」などに特化した保険なのです。

就業不能保険が必要なケース

就業不能保険が必要なケース

会社にお勤めの方で、貯蓄があり、医療保険にも加入しているような場合には、公的な制度で十分に賄えるケースもあります。しかし、「貯蓄が十分にない」「住宅ローンの残債が多い」「子どもが小さい」といったケースでは、就業不能保険は一つの選択肢になります。保険料の手頃なものもあるので、保険料の支払いが負担にならないようであれば、加入を検討してみても良いでしょう。

一方、自営業の方の場合は、公的制度である「傷病手当金」制度を利用することができません(障害基礎年金は、1級・2級に認定された場合には支給あり)。そのため、無収入期間の生じる可能性が、会社員の方よりも高いと言えます。自営業の方にとっては、就労不能保険に加入するメリットは大きいでしょう

おすすめの就業不能保険

それでは、実際に就業不能保険の保障内容と、保険料のシミュレーションを見ていきましょう。ここでは、ライフネット生命とチューリッヒ生命の2社を取り上げました。

ライフネット生命 働く人への保険2

ライフネット生命 働く人への保険2

年齢 35歳
性別 男性
就業不能給付金 10万円(月額)
高度障害給付金 100万円
保険期間・保険料払込期間 55歳満了
支払対象外期間 60日
就業不能給付金の受け取り方 標準タイプ(A型)
月額保険料 2,309円

ライフネット生命「働く人への保険2」は所定の高度障害状態になった場合に、就業不能給付金の10倍の高度障害給付金を受け取ることができるのが特徴(保険期間を通じて1回まで)。
保険期間・保険料払込期間は55歳、60歳、65歳、70歳の4つから選択可能で、「子どもが独立するまで」「働いている間ずっと」など、目的に合わせて期間を設定することができます

支払対象外期間は、実際に保険金の支払いが始まるまでの期間で60日と180日から選択できます。公的な保証がある場合には、180日を選択しても良いでしょう。

1回目の支払いから満額を受け取ることのできる標準タイプ(A型)と、1回目の支払いから一定期間は保険金の50%相当を受け取るハーフタイプ(B型)の2種類から選択をします。こちらも公的な保障がある方は、後者を選ぶのも一つの方法でしょう。

ただし、ライフネット生命の就業不能保険は、うつ病をはじめとした精神疾患は保障の範囲外となりますので、加入を検討する場合には注意しましょう。

チューリッヒ生命 くらすプラス

チューリッヒ生命 くらすプラス

年齢 35歳
性別 男性
就業不能給付金 10万円(月額)
入院給付金 120日型、日額5,000円(終身)
年金支払期間 3年(360万円)
保険期間・保険料払込期間 55歳満了
入院給付金免責日数 60日(自動付加)
月額保険料 2,460円

チューリッヒ生命くらすプラスは、60日を超える入院をした際、60日を超えた部分の入院について日数分の入院給付金を受け取ることができる就業不能保険。うつ病をはじめとした精神疾患での就業不能も適用される点が特徴です。60日を超えて就業不能状態が継続した場合に、毎月保険金を年金形式で受け取ることができます

パッケージ商品のため就業不能給付金の受取額は、10万円で固定されています。年金支払期間は3年(360万円)、5年(600万円)、10年(1200万円)の3種類から選択可能。満期保険金の設定はありません。ライフネット生命と比較すると、毎月の給付金額が選択できないため、公的な保障が利用できる方に、より適した内容となっています

貯蓄を増やすことも重要

貯蓄を増やすことも重要

公的制度を利用できる方は、十分な貯蓄を備えることで万が一の場合に備えるという方法もあります。保険に頼らないだけの備えがあるのが、理想的です。しかし、月々の支払いが多く、お子様が小さいような場合、貯蓄をする間だけでも就業不能保険の加入を検討しても良いでしょう

自営業の方も、同様に貯蓄を形成することも大切ですが、無収入期間のリスクは会社員の方よりも高いため、就業不能保険を積極的に検討してみましょう

Writer:久我裕紀

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