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終身保険への加入は本当に必要?
定期保険との違いや、そのメリットとデメリット

終身保険とは、文字通り、保険期間が終身(=一生涯)続く生命保険(死亡保険)のこと。自身に万が一のことがあった場合の家族への備えとして、終身保険への加入を検討されている方も多いのではないでしょうか?

その一方で生命保険には、終身保険とは別に、掛け捨て型の「定期保険」もあることから、生命保険への加入を検討する際、どちらのタイプの保険に加入すべきか迷う方も多いはず。

そこで今回の保険比較の特集は、終身保険に注目。定期保険との違いや、終身保険の特徴、加入する際に知っておきたいメリットとデメリットについて、わかりやすく解説します。さらに、おすすめの終身保険の紹介も。
終身保険への加入を検討している方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。

終身保険とは? ー 終身保険の特徴と、定期保険との違い

まずはじめに、終身保険とはどういった保険のことなのか、その特徴を見ていきましょう。

終身保険の特徴 : 一生涯保障が続く × 貯蓄ができる生命保険

終身保険とは、「保障」と「貯蓄」の2つの側面を持った生命保険のこと
「終身」とあるように、保険期間が一生涯続き、被保険者に万一のことがあった場合、死亡・高度障害保障を受け取ることが可能です。
さらに、終身保険は、毎月の保険料の一部を貯蓄の積立に充てており、保険を途中で解約した場合、積み立てた金額を解約返戻金(かいやくへんれいきん)として受け取ることができます。保険を解約すると、保障が受けられなくなる点には注意が必要ですが、老後資金への備えとしても活用できる点は、終身保険の大きな魅力といえるでしょう。

終身保険の保険期間は一生涯続きますが、保険料の払込期間は、「終身払い」と「短期払い」から選択することができます(※保険会社によって異なる)。ちなみに、「終身払い」と「短期払い」の違いは以下の通り。

終身保険の保険料払込期間 -「終身払い」と「短期払い」の違い

  • 終身払い

    一生涯、保険料を支払う方法。加入時に保険料の総額が確定せず、長生きするほど、保険料の総額が大きくなる。短期払いと比較すると、保険料が割安に設定されている。

  • 短期払い

    「10年」「15年」「20年」もしくは、「60歳満了」「65歳満了」「70歳満了」といった形で払込期間を設定して支払う方法。(※保険料の支払いが完了した後も、保障は継続) 終身払いと比較すると、毎月の保険料は高くなるものの、保険料の総額は抑えることができる。

定期保険との違い

生命保険は、大きく「終身保険」と「定期保険」の2種類に分けられ、この2つには以下のような違いがあります。

終身保険(=積み立て型の生命保険)
保険料の支払いで貯蓄の積立ができ、保険を途中で解約した場合には、積み立てた分を解約返戻金として受け取ることができる生命保険。解約返戻金の金額は、保険への加入期間が長いほど高くなる。定期保険と比較すると、保険料が高めに設定されているケースが多い。
定期保険(=掛け捨て型の生命保険)
貯蓄の機能を持たず、保険を解約した場合、原則として解約返戻金がない(またはあっても少ない)タイプの生命保険。保険料の支払いで貯蓄の積み立てができないため、「掛け捨て型の生命保険」とも呼ばれる。積み立て分がないため、終身保険と比較すると、保険料は安い。また、保険料の上限も高めに設定されているため、万一の際の保障を充実させることが可能。
その一方で、保険加入期間が一定で、その期間を経過すると、再度保険に加入する必要があり、保険料が上がる点には注意が必要
終身保険 定期保険
保障 〇 ※必要に応じて保障を手厚くすることが可能
貯蓄性 ×
保険料 高い 安い
あわせてチェック
生命保険掛け捨て型のメリットとデメリット。おすすめの保険は?

終身保険3つのメリット

次に、終身保険に加入するメリットについて見ていきましょう。

終身保険のメリット その1
貯蓄性がある

終身保険に加入する最大のメリットは、毎月の保険料の支払いで自動的に貯蓄の積み立てができる点。積み立てた分は、保険を途中解約する場合、一定の計算式に従って、解約返戻金として受け取ることが可能です。
保険への加入期間が長くなるほど、解約返戻金の受け取り金額は多くなり、保険商品によっては、支払った保険料以上の解約返戻金を受け取れるものも
保険への加入で貯蓄の積み立てができる点は、将来に備えて貯蓄をしたいと考えている人や、計画的にお金を貯めるのが苦手な人であれば、ぜひチェックしておきたい終身保険のメリットといえるでしょう。

終身保険のメリット その2
保険期間が一生涯+保険料が一定

「終身」という名前の通り、終身保険の保険期間は一生涯続き、途中解約しない限り、万一の場合、支払った保険料以上の保険金を家族に残すことが可能です。この点も、終身保険に加入するメリットといえるでしょう。
また、終身保険の場合、保険料が一定という点も注目したいポイント。定期保険の場合、保険期間が決まっているため、保険期間が終了すると、保険契約を解約するか更新するかを選ぶことができ、更新すると保険料が上がるケースがほとんどです。その一方で、終身保険の場合、毎月の保険料は、契約時のまま一定。加入年数や年齢による保険料の値上げがありません
こうした点も、終身保険に加入する際に知っておきたいメリットです。
※ちなみに、保険料は加入時の年齢が若いほど安くなるため、保険料の総支払額を安く抑えたい場合、早いうちからの加入がおすすめ。

終身保険のメリット その3
相続税を節税できる

生命保険(終身保険)で受け取る死亡保険金は、死亡した人(被保険者)の財産ではありませんが、相続財産と同じように相続税が課税される「みなし相続財産」として扱われます。
ただし、死亡保険金には、「500万円×法廷相続人の数」の非課税枠が設けられており、法定相続人が2人なら1,000万円、3人なら1,500万円までは相続税がかかりません。この非課税枠を利用し、相続税が節税できる点も、終身保険に加入する大きなメリットといえるでしょう
また、預貯金類は全額が課税対象となっているため、終身保険に加入することで、その分、相続財産を減らせる点もチェックしておきたいポイントです。

終身保険2つのデメリット

終身保険への加入を検討する際は、メリットだけではなくデメリットについてもしっかり把握しておくことが大切です。本チャプターでは終身保険のデメリットについて確認しましょう。

終身保険のデメリット その1
定期保険(掛け捨て型の保険)と比較すると、保険料が高い

終身保険は、貯蓄の積み立てを想定して設計されているため、その分、保険料が高く、家計への負担が大きくなりがちです。
例えば、加入年齢と保険金を同条件で、終身保険<アクサダイレクト生命「アクサダイレクトの終身保険」と定期保険SBI生命「クリック定期」の保険料を比較すると以下の通り。

【終身保険】
アクサダイレクト生命「アクサダイレクトの終身保険」
【定期保険】
SBI生命クリック定期
保険期間 終身 10年
保険金 500万円 500万円
保険料(月額)
  • 20歳で加入した場合(男性):5,925円
  • 30歳で加入した場合(男性):7,310円
  • 40歳で加入した場合(男性):9,435円
  • 20歳(男性):550円
  • 30歳(男性):620円
  • 40歳(男性):1,055円

※2019年5月時点

このように終身保険の場合、定期保険と比較すると、保険料が高くなる点には注意が必要です。

終身保険のデメリット その2
短期間で解約すると元本を大きく棄損する可能性がある

終身保険では、解約時に解約返戻金を受け取ることができますが、保険加入から短期間で解約した場合、受け取れる解約返戻金が支払った保険料の総額を大きく下回る可能性があります
また、昨今の低金利の影響を受け、終身保険の解約返戻金の額は年々低下。多くの終身保険が、加入期間に関わらず100%以下の解約返戻率になっています。終身保険の特徴である「保険への加入で将来への貯蓄ができる」というメリットが、近年、乏しくなってきている点は、終身保険への加入を検討する際に、把握しておくべきデメリットといえるでしょう。

おすすめの終身保険

たとえ長期で加入した場合の解約返戻率が100%以下であっても、相続時に非課税枠を利用できる点や、保険料控除が受けられる点を考慮すると、終身保険を利用するメリットは十分にあります。
また、2019年5月現在、100%以上の解約返戻率を実現している終身保険もあるので、その情報も合わせて、本チャプターでは保険比較編集部おすすめの終身保険をご紹介します。

アクサダイレクト生命 「アクサダイレクトの終身保険」

アクサダイレクト生命 「アクサダイレクトの終身保険」・画像

アクサジャパン出資の生命保険会社「アクサダイレクト生命」が提供する終身保険。数ある終身保険の中でも手ごろな保険料を実現していることに加え、毎月の保険料で貯蓄の積み立てにも対応している。
また、アクサダイレクトの終身保険では、途中解約した場合、それまでに支払った保険料の約7割程度(※契約年数によって異なる)の金額を解約返戻金として受け取ることが可能。
さらに、余命6ヵ月と診断された場合に保険金の一部または全部を生前に受け取ることができる「リビング・ニーズ特約」や、日本の名医によるセカンドオピニオン・優秀専門臨床医の紹介が受けられるサービス等が無料付帯する点も大きな魅力といえるだろう
解約返戻率が100%を下回るものの、アクサダイレクト生命の終身保険は、手ごろな保険料で貯蓄の積み立てに対応しているほか、サポートサービスが充実。わずかな保険料負担で将来の備えとして役立つ終身保険を探している方にとって、有力な選択肢の一つといえるだろう。

オリックス生命 終身保険「RISE(ライズ)」

オリックス生命 終身保険「RISE(ライズ)」・画像

終身保険「RISE(ライズ)」は、オリックス生命が販売する終身保険。高い解約返戻率を実現しており、万一の場合に備えつつ、支払った保険料で貯蓄の積み立てを行うことができる。
「RISE」の特徴は、保険料払込期間中(低解約払戻期間)の解約返戻率は70%前後と100%を下回るものの、保険料払込期間終了後の解約返戻率は100%を上回る点。(※保険料払込期間に「短期払い」を選択した場合。「終身払い」を選択すると、低解約払戻期間は一生涯継続する)近年、解約返戻率が100%を下回る終身保険が増えているため、解約返戻率が100%を大幅に上回る貯蓄性の高さは、他の終身保険と比較した際、「RISE」に加入する大きなメリットといえるだろう。
また、保険金額は200万円から5,000万円まで100万円単位で設定できるほか、保険料払込期間は「終身払い」または「短期払い」から選択できる等、契約者のニーズに合わせて設定できる点も魅力。「RISE」は、将来に備え、しっかり貯蓄したい人におすすめの終身保険。

Pickup! 貯蓄の積み立てにおすすめの保険

終身保険ではありませんが、数ある保険商品の中には、毎月の保険料で貯蓄の積み立てを行い、高い返戻率・受取率を実現している貯蓄性の高いものがあります。
保険を利用して、コツコツと貯蓄の積み立てを行いたいと考えている方は、終身保険と合わせて、貯蓄の積み立てに特化した保険商品(積立保険)の利用を検討するとよいでしょう。

明治安田生命 「じぶんの積立」

明治安田生命 「じぶんの積立」・画像

大手生命保険会社「明治安田生命」が販売する積立保険。数ある積立保険の中でも、トップクラスの返戻率・受取率を実現しており、お得度の高い保険商品として注目を集めている。
「じぶんの積立」は、月額5,000円から加入可能。保険料の払込期間は5年間となっており、短期間かつ少額で貯蓄の積み立てを行うことができる。
また、10年満期時の受け取り率は103%、中途解約時でも解約返戻率は100%以上と高い返戻率・受取率を実現。途中で解約した場合でも、それまで支払った保険料分がマイナスにならない点は、「じぶんの積み立て」の大きなメリットといえるだろう。
さらに、保険料控除の対象になっており、保険料控除を利用することで、さらにお得に利用できる点もチェックしておきたい。(※ただし、保険料控除は控除対象となる金額が決まっているため、保険料控除を利用するのであれば、月額5,000円での積み立てがおすすめ)
「じぶんの積立」は、将来に備え、コツコツお金を貯めたい人であれば、ぜひ利用を検討したい積立保険といえるだろう。

終身保険のメリットとデメリット~まとめ~

終身保険に加入すれば、一生涯保障が受けられだけではなく、毎月の保険料で貯蓄の積み立てを行うことが可能です。万一の場合にしっかり備えられる生命保険に加入したいと考えている方にとって、終身保険は有力な選択肢といえるでしょう。

その一方で、終身保険には、他の保険商品と同様に、メリットとデメリットが存在します。保険への加入を検討する際は、特徴やメリット・デメリットを事前に確認し、万一の場合、その保険が自分や家族にとって本当に必要かどうかをしっかりと判断した上で、加入することが大切です

終身保険への加入を検討されている方は、本特集を参考に、定期保険との違いや、終身保険の特徴やメリット、デメリットをしっかり把握し、自分に合った終身保険を見つけましょう。

Author 溝口麻衣(みぞぐちまい)

Hayakawa所属のチーフライター兼編集者。主な執筆ジャンルは英会話、格安SIM、住宅ローン、保険、エンタメ。わかりやすく、ちょっとした気付きのある記事を目指して、日々原稿を執筆中。御朱印集めと北欧関連の情報収集が好き。

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