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保険で貯蓄するメリットとデメリット
節税効果と返戻率を必ずチェックしよう

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貯蓄型の保険とは?

生命保険には、支払った保険料に応じて保険金が積み立てられていく「貯蓄型の保険」と、保険料は掛け捨てで、万一の場合のみ保険金が支払われる「掛け捨て型の保険」があります。

毎月支払う保険料は掛け捨て型のほうが少なくすみますが、払った保険料が満期金や解約返戻金として還付される貯蓄型の保険のほうが、契約者の人気が高いのが現実です。このような背景もあり、現在も多くの保険会社が貯蓄性のある保険を取り扱っています。

かつてほどの「お得度」は期待できない貯蓄型保険。その一方で一部メリットは健在

バブル崩壊前(1990年頃)までの生命保険は、支払った保険料に対して満期・解約時に戻ってくる保険金の割合が非常に高く、有利な金融商品のひとつでした。
そのため、生命保険を銀行預金のように、貯蓄機能メインで利用していた方も少なくありませんでした。

しかし、この30年の間に日本だけではなく世界中の金利が大幅に低下したため、2020年現在、生命保険会社の予定利率(保険会社が契約者に対して約束する運用利回り)は、各社とも大きく下がっています。貯蓄型の保険に加入しても、以前と比較すると保険料の戻り率は悪く、金融商品としての魅力は薄れていると言えるでしょう。

もっとも予定利率の低下によって貯蓄型の生命保険のメリットがすべてなくなったわけではありません
生命保険は本来、家計のセーフティネットとして、将来起こるかもしれない万一の出来事に備えるもの。また、保険に加入することで受けられる税制上の優遇装置もあります
これから生命保険への加入を検討している方は、このような貯蓄型保険のメリット・デメリットを比較したうえで、加入するかどうかを判断しましょう。

今回は「保険で貯蓄するメリット・デメリット」をテーマに、貯蓄型の生命保険の長所と短所を解説します。

保険で貯蓄する3つのメリット

予定利率の低下によって、お金を増やす機能は期待しづらくなった貯蓄型の保険ですが、ほかにも生命保険ならではのメリットを備えています。

① 貯蓄と死亡保障を同時に準備できる

保険が、銀行の預金や株式などの投資商品と大きく異なる点は、万一の場合の「保障」がセットになっている点です。
たとえば、貯蓄型の保険として人気が高い学資保険の場合、親が死亡した場合は、それ以降の保険料の払い込みが免除され、所定のタイミングで満期学資金を受け取ることができます。つまり、子供の進学費用を準備するための貯蓄機能を持ちながら、親に万一のことがあった場合も学資金が支給される、死亡保障の機能も持っているのです。
(※ただし、貯蓄型保険の「保障」の内容は商品により異なり、すでに払い込んだ保険料が還付されるだけのものもあります。その場合は、銀行預金のような純粋な貯蓄と大きな違いはありません。)

② 契約者貸付を利用してお金を借りられる

貯蓄型の保険を契約している場合、既払込保険料(すでに支払った保険料)の額に応じて保険会社から融資を受けることができます。
契約者貸付では、解約時に支払われるお金(解約返戻金)から資金を貸し出すことになるため、原則的に審査は不要。借り入れできる金額は、既払込保険料の7割から9割程度となるため、長く加入しているほど有利です。
ただし、返済できない場合は、そのぶんのお金が解約返戻金から差し引かれる点に注意しましょう。

③ 生命保険料控除を利用して節税ができる

貯蓄型の生命保険(終身保険、学資保険、収入保障保険etc.)は、年末調整や確定申告の際に「一般生命保険料控除」を利用することができます
これは、所得に応じて発生する所得税と住民税を計算する際の所得金額から、支払った保険料の分を控除する税優遇の仕組みです。
一般生命保険料控除のほかに、医療保険や介護保険の保険料に適用される「介護医療保険料控除」、個人年金保険の保険料が対象となる「個人年金保険料控除」があります。

  • 一般生命保険料控除(終身保険、学資保険、収入保障保険etc.)
  • 介護医療保険料控除(医療保険、介護保険etc.)
  • 個人年金保険料控除(個人年金保険※個人年金保険料控除の対象となるもの)

それぞれが、所得税では最大40,000円まで(合計で最大12万円まで)、住民税は最大28,000円(合計で最大8.4万円まで)まで控除されます。

所得税は、収入が多いほど税率がアップするため、生命保険料控除によって還付される税金も、所得が高い人ほど多くなります。
具体的な節税額がいくらになるかは、それぞれの社会保険料の納付額や、住宅ローン控除・iDeCo・ふるさと納税などの利用状況によっても異なりますが、所得が高い方は、節税対策の一貫として貯蓄型の保険を検討しても良いでしょう

保険で貯蓄する3つのデメリット

一方で、貯蓄型保険にはデメリットもあります。加入時に気をつけておきたいポイントはおもに以下の3つです。

① 元本割れするケースがある

前述の通り、現在、貯蓄型の保険は予定利率が下がっており、支払った保険料に対して受け取る保険料のほうが少なくなる「元本割れ」が起こるケースもあります。
そのため、終身保険や学資保険といった貯蓄型の保険を検討する際は、保険料の総支払額と、受取時の金額を必ずチェック。受け取り金額を保険料の支払額で割った数字(返戻率)が100%以上になることを確認しましょう。

② 保険料が割高

掛け捨て型の保険と比較すると、貯蓄型の保険は保険料が割高になります。たとえば、子供が0才の時点で学資保険に加入した場合、月々の保険料は1万円前後。
また、多くの貯蓄型の保険は、貯蓄を主体としている性質上、満期までの期間が十数年と長くなる点も注意したいポイントです。転職や結婚、住宅購入、独立など、途中でライフステージが変わったとしても、家計から無理なく捻出できる範囲内に保険料を抑えておくと良いでしょう。

③ 保険の見直しがしにくい

満期時の返戻率が100%を超える商品であっても、貯蓄型保険の多くは、保険期間の途中で解約をすると元本割れが起きます。そのため、「保険料の負担が重い」「もっと有利な保険に乗り換えたい」「急に現金が必要になった」という場合の見直しがしづらいことも。
お金の流動性の面では、貯蓄型の保険は不利なケースが多くなります。あくまで「すぐに使わないお金」を将来に向けてじっくり貯めたい場合に活用しましょう。

今でも加入をおすすめできる貯蓄型保険とは?

契約者に根強い人気のある貯蓄型保険は、予定利率が下がった現在も、複数の保険会社からさまざまな商品が発売されています。
ここでは、返戻率や保険料などの面で優位性のある保険をご紹介します。

明治安田生命 じぶんの積み立て

明治安田生命 じぶんの積み立て

契約件数100万件(2019年3月末時点)を誇る積立式の保険。10年間の保険期間のどの時点で解約しても返戻率が100%を下回ることがない。月掛保険料は5,000円、10,000円、15,000円、20,000円から選択可能。万一の際は、積み立てた保険料が解約返戻金として戻るが、不慮の事故による死亡では既払込保険料の1.1倍が支給される
健康状態の告知は不要で、持病がある場合でも入りやすい。

返戻率 103.0%

  • 月掛保険料:5,000円
  • 保険期間:10年間
  • 払込保険料:300,000円
  • 解約返戻金:309,000円

オリックス生命 終身保険RISE [ライズ]

オリックス生命 終身保険RISE [ライズ]

保険期間中の一定期間、解約返戻金を抑えることで割安な保険料を実現している生命保険。死亡保障が一生涯続く終身タイプの保険だが、保険料の払込期間を「10年払済」「15年払済」とすることで、子供の進学費用資金など様々な使途に利用できる
契約者に万一のことがあった場合は死亡保険金が支払われるため、貯蓄と死亡保障を同時に準備したい場合にもおすすめ。

返戻率 100.5%※活用例

  • 月掛保険料:13,095円
  • 保険期間:15年払済
  • 払込保険料:約236万円
  • 解約返戻金:約237万円(死亡・高度障害保険金:300万円)

ソニー生命 学資保険(無配当)Ⅲ型

ソニー生命 学資保険(無配当)Ⅲ型

子供のいる世帯から圧倒的な支持を集める学資保険。満期まで加入した場合の返戻率はトップクラス。学資金の金額はもちろん、受け取り時期(大学進学時、留学・大学院進学時など)や払込期間・払込方法も選択でき、自由度が高い。無料相談や加入申し込みをすると、ソニー生命のライフプランナーが自宅を訪問し、教育資金計画や保険の見直し、リフォーム資金や住宅ローンの返済など、お金に関する相談に無料で対応する。

返戻率 105.5%

  • 月掛保険料:15,788円
  • 保険期間:10年間
  • 払込保険料:1,894,560円
  • 解約返戻金:200万円

上手に利用すれば家計のセーフティネットに。貯蓄型の保険を活用しよう

貯蓄に保険を利用する方法は、ゼロ金利の影響で予定利率が下がった現在の生命保険では、十分な効果があるとは言えません。
ただし、家計のセーフティネットとしての機能や、生命保険料控除による節税効果など、保険ならではのメリットは健在です。
元本割れに注意し、保険料の負担が大きくなりすぎないようにすれば、貯蓄型の保険が役に立つシーンは今も多いでしょう。
今回ご紹介した貯蓄型保険のメリット・デメリットも参考に、貯蓄性のある保険を家計に活かす方法を検討してみてはいかがでしょう。

Author 長尾 尚子(ながお なおこ)

フリーランスライター。FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士2級を保有し、保険関連の記事を幅広く担当。そのほかにも育児・教育、住宅ローン、金融、エンタメ等の記事を執筆。子ども2人を育児中のママでもある。 保有資格:消費生活アドバイザー、FP2級

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