お役立ち保険情報

猫のペット保険、おすすめは?
加入するメリットとデメリット

猫にペット保険は必要?

日本ペットフード協会の調査によると、犬・猫の飼育頭数は2017年・2018年連続で、猫が犬を上回っており、ペットとしての猫の人気は年々上昇しています。

また、動物医療の進歩や、動物の室内飼いが増えたことにより、ペットの寿命は長寿化。猫の平均寿命は15.97歳(家の外に出ない場合。※家の外に出る場合は13.63歳)と、人間の80歳に相当し、高齢化に従って病気などにかかるリスクも高まっています

このようなペットを取り巻く環境の変化を受け、近年注目を集めているのが、ペット保険です。
ペット保険は、ペットの医療費をカバーすることを目的とした保険。ペットが病気やケガをした場合に、動物病院でかかった治療費の一部(ペット保険によっては全部)が支払われます。

対象となるペットは、犬・猫が中心ですが、ペット保険によっては、その他の動物(うさぎ、フェレットetc.)や鳥類などを対象としているものもあります。

現在、猫を飼っている方や、これから猫を飼おうとしている方の中には、愛猫の将来に備えてペット保険に加入すべきかどうか、悩んでいる方も多いでしょう。

そこで今回は「猫のペット保険」をテーマに、ペット保険の基本的な特徴と、加入するメリット・デメリット、猫におすすめのペット保険などを解説します。

平成30年(2018年)全国犬猫飼育実態調査 結果(一般社団法人 ペットフード協会)【PDF】

ペット保険とはどんな保険か?

ペット保険とはどんな保険か?
補償される範囲には決まりがある

ペット保険の補償の対象となるのは、病気やケガの治療のために動物病院に支払った治療費用です。
同じく動物病院にかかった場合でも、健康なときに受けるワクチン接種や去勢・避妊などの費用は対象外となるケースがほとんど。
また、ペットが生まれつき持っている疾患(先天性、遺伝性)や、歯石除去などの歯科治療も補償の対象外としているペット保険が多い傾向があります。

ペット保険の主な補償範囲

補償される費用 補償の対象外となる費用
  • 補償開始後に起きた病気・ケガの治療費用
  • 補償開始前に起きた病気・ケガの治療費用
  • ワクチン・健康診断などの予防医療
  • 去勢、避妊などの健康体に施す処置
  • 遺伝性疾患、先天性疾患
  • 歯科治療(歯石除去含む)etc.

※ペット保険により異なる

ペット保険とはどんな保険か?
手術のみを補償するリーズナブルなタイプもある

ペット保険の補償内容は、通院・入院・手術にかかった費用をそれぞれカバーするタイプが主流です。
ただし、中には、補償の対象となる費用を「手術のみ」としているものも。
手術のみを補償するタイプは、通院が補償されるペット保険と比較すると、保険料を安く抑えることができます。
一般に、手術の発生頻度は、通院等よりも低めですが、かかる治療費は高額になりがちです。
そのため、ペット保険に加入したいが保険料は抑えたい、という場合は、手術のみを補償するタイプで、最低限の補償をかけておく方法もあります。

ペット保険の補償内容

補償内容 保険料 1回あたりの治療費 発生頻度
通院・入院も補償 高くなる 比較的低め 高め
手術のみ補償 安くなる 高め 低め

ペット保険とはどんな保険か?
保険料は毎年(もしくは数年ごとに)上がる

ペット保険の多くは、1年ごとに契約が更新されます。保険料はペットの年齢に応じて決まるため、ほとんどのペット保険が、更新のたびに保険料がアップします
最終的に、どのくらいの保険料負担になるかが不安な場合は、ペット保険を販売する保険会社に問い合わせる、もしくはホームページで保険料をシミュレーションしてみると良いでしょう。※保険料が改定される場合もあり。

また、ペット保険の中には、保険料を定額化するなどして、保険料の上昇を数年に1回に抑えている商品もあります
更新のたびに保険料がアップすることが不安な場合は、このようなペット保険を検討してみるのも一つの方法です。

FPC 「ペット保険」

FPCペット保険

少額短期保険会社・FPCが取り扱うペット保険。
犬と猫、小型犬・中型犬・大型犬を問わず保険料が一律で、0~4歳が月額1,590円、5~8歳が月額2,390円。※50%補償の場合。
9歳以降は種類別の保険料となるが、「9~11歳まで」と「12歳以上」の二段階の上昇に抑えられており、保険料体系がシンプル。
治療費の補償割合により50%補償と70%補償に分かれる。インターネットから24時間365日加入申込が可能。加入時はワクチン接種証明書等が必要になる。

猫のペット保険に加入するメリット・デメリットは?

それでは、猫のペット保険加入を検討する場合、どのようなメリット、あるいはデメリットがあるのでしょうか。

猫のペット保険に加入するメリット

  • 高額な出費に備えられる
  • 手遅れになる前に動物病院にかかりやすくなる
  • 通院や手術の心理的負担をカバーできる

ペットが病気やケガをすると、思わぬ高額な出費につながるケースが少なくありません。
人間とは異なり、健康保険制度がない動物の治療費は、全額自己負担になります。
そのため、手術や長期の入院が必要になった場合の費用は十数万円から、場合によっては数十万円になることも。
ペット保険に入っていることで、これらの出費を大幅に抑えることができるようになります。

特に猫の場合は、年齢があがるにつれて泌尿器系(腎不全など)や内分泌系(糖尿病など)の疾患を抱えることが多く、治療は長期になりがち。
また、人間よりも体内の時間の進み方が早いため、しばらく様子を見ようとして手遅れになってしまう場合もあります。
ペット保険は、猫の異常に気づいたとき、すぐに「動物病院にかかる」という選択肢をとりやすくなる、通院・入院時の費用についての不安を少なくできる等、心理的なお守りの効果もあると言えるでしょう。

猫のペット保険に加入するデメリット

  • 自己負担ゼロ(100%補償)のペット保険は少なめ
  • 待機期間がある(場合がある)
  • 加入できる年齢に上限がある

多くのペット保険は、かかった治療費のうち一定の割合(70%、50%など)が補償されます。ただし100%補償(自己負担ゼロ)のペット保険は少なめ。また、補償の割合が高くなるほど、保険料も高額になります

また、ペット保険によっては、加入から一定の日数を「待機期間」に設定し、その間に発生した病気やケガが補償されない場合があります。
現在、治療中の病気やケガがある場合も、ペット保険への加入が難しいケースや、特定の部位や疾病が不担保になる(補償されない)ケースがあるので、加入前には保険の約款(やっかん)をよく確認しましょう。

なお、ペット保険には加入できる年齢に上限があり、8歳から9歳を超えると、ほとんどのペット保険が加入不可となります。
ペット保険を検討する場合は、猫が高齢期に入る前に、各社のペット保険を比較し、補償内容や利用者の評判の良いものをピックアップしておきましょう。

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ペット保険 比較・口コミ

猫におすすめのペット保険を見つけるには

猫のペット保険を選ぶ際は、猫に多い疾病や猫の平均寿命などに沿った補償を提供している保険がおすすめです。

猫のペット保険を選ぶときのチェックポイント

  • 高齢期には通院補償が必須
  • 平均寿命(15歳前後)までの保険料を試算する
  • 請求のしやすさはどうか

高齢期の猫は、腎不全や糖尿病、がんなどの慢性疾患が増える傾向があります。治療も入院や通院をしながらの投薬・食事療法などが多くなるため、ペット保険は通院補償のある商品(プラン)がおすすめ
一方、若い猫の場合は、異物誤飲などで外科手術が必要になるケースはあるものの、慢性的な疾患は少なく、手術のみを補償するプランで保険料を抑えるのも一つの方法です。

猫の平均寿命は15歳前後と言われています。ペット保険は、毎年更新になる商品が多く、猫の年齢があがるにつれて保険料も毎年上昇します。
保険料を比較する場合は、15歳くらいまでの保険料の変化を確認したうえで、補償内容と保険料のコストパフォーマンスを見てみると良いでしょう。

なお、実際にペット保険を利用する際は、保険金の請求のしやすさも重要になります。「複数回の通院をまとめて請求できる」「長期の通院や入院は治療途中で請求できる」といった融通のききかたや、「窓口で保険金請求ができる」「LINEで請求できる」といった利便性も、ペット保険の重要なポイントと言えるでしょう。

ペットメディカルサポート『PS保険』

ペットメディカルサポート『PS保険』

少額短期保険会社・ペットメディカルサポートが販売するペット保険。治療費の100%を補償する「100%補償プラン」を取り扱う。加入後の一定期間、補償が適用されない「待機期間」や、一定額以下の治療を補償しない「免責金額」を設けておらず、通院補償が充実しているペット保険として知名度が高い
契約者向けに24時間365日対応の無料電話相談サービス「獣医師ダイヤル」を提供しており、猫の病状やしつけ等について気軽に相談できる。
インターネットからの申込みで保険料(年払い)が割引になる点も嬉しい。

保険料※3歳の場合

  • 50%補償プラン…月額1,580円
  • 70%補償プラン…月額2,170円
  • 100%補償プラン…月額2,760円

アニコム損保『どうぶつ健保ふぁみりぃ』

アニコム損保『どうぶつ健保ふぁみりぃ』

シェアNo.1を誇るペット保険。人間の健康保険制度をモデルにした保険金の支払いシステムを採用しており、アニコム損保の提携動物病院であれば、会計窓口で「どうぶつ健康保険証」を提示するだけで、治療費の5割(もしくは7割)が差し引かれる。提携動物病院以外で治療を受けた場合も、LINEでの保険金請求が可能。
通院・入院・手術の費用を50%補償する「50%プラン」、同じく70%補償する「70%プラン」を提供。手術は年間2回までの制限があるものの、通院・手術は回数無制限で利用できる

保険料※3歳、スコティッシュホールドの場合

  • 50%プラン…月額2,420円
  • 70%プラン…月額3,230円

猫の医療費への備えは15年計画。保険と貯蓄を併用しながら後悔のない資金計画を立てよう。

ペットとしての猫の人気が高まるとともに、猫の病気やケガに対する備えも必要性を増してきました。
室内飼いの猫の平均寿命は、約15年と長く、猫と暮らすということは、猫の医療費についても15年以上の計画を立てておく必要があることを意味しています。

ここまで見てきたように、ペット保険は、病気・ケガの備えとなる一方で、健康診断やワクチンといった健康維持や予防医療の費用はカバーすることができません。

15年以上の長い時間を、猫とすこやかに、幸せに暮らすためには、手術や長期の通院・入院などの大きな出費にはペット保険を活用しつつ、それ以外の医療費についてもコツコツと積み立てておくことが大切。

今回ご紹介したペット保険のメリット・デメリットも参考に、保険と貯蓄を併用しながら、愛猫のための医療保障を準備しましょう!

Author 長尾 尚子(ながお なおこ)

フリーランスライター。FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士2級を保有し、保険関連の記事を幅広く担当。そのほかにも育児・教育、住宅ローン、金融、エンタメ等の記事を執筆。子ども2人を育児中のママでもある。 保有資格:消費生活アドバイザー、FP2級

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