保険まめ知識

第11回 自動車保険と自転車特約

増加する自転車事故…自転車保険よりも手頃な「自動車保険の自転車特約」に注目

ガソリン価格の高騰や環境への配慮から、自転車が一大ブームとなっています。一方で、自転車ユーザーの増加に伴い、自転車による事故も増加傾向に。
特に近年は、自転車が歩行者等と接触することで、死亡などの重大事故に発展するケースも多く、加害者である自転車の乗り手に数千万円の損害賠償が課せられるケースも少なくありません

このような自転車ブームと自転車事故の増加を受けて、損害保険会社からは様々な「自転車保険」が発売されています。
自転車保険とは、万一の自転車事故の際に、自分自身のケガや相手方に与えた損害をカバーする障害保険の一種。自動車保険やバイク保険と同じように、自転車に乗る人であれば備えておきたい自転車保険ですが、家族全員が自転車に乗る場合などは、乗る人数分加入する必要があるため、保険料は意外に高くなってしまいます。

≪ 自転車保険の保険料例 ≫

au損害保険「あ・う・て ケガの保険 Bycle(バイクル)」
コース名 ブロンズコース
保険料 本人タイプ…(1年間)4,290円、(2年間)7,710円
家族タイプ…(1年間)10,300円、(2年間)18,450円
補償内容
  • 死亡・特定重度障害…300万円
  • 入院保険金日額…1日につき4,000円(自転車事故は2倍)
  • 手術保険金…2万円or4万円(自転車事故は2倍)
  • 個人賠償責任(自己負担なし)…5,000万円
  • 示談交渉サービス…あり
  • 自転車ロードサービス…無料配送距離20kmまで
三井住友海上「自転車向け保険」
コース名
保険料 お一人様プラン…(年額)4,160円
ご家族プラン…(年額)8,780円
補償内容
  • 死亡・特定重度障害…400万円
  • 入院保険金日額…1日につき6,000円
  • 手術保険金…入院保険金日額の5倍or10倍
  • 個人賠償責任(自己負担なし)…1億円
  • 示談交渉サービス…あり

実は、自転車の事故は、自転車保険だけでなく、自動車保険の特約でもカバーすることができます。自転車保険と比較すると、自動車保険の自転車特約は、保険会社によって補償内容が異なる等、注意点はあるものの、特約一つで家族全員分をカバーすることができ、保険料も自転車保険より手頃とあって、自動車にも自転車にも乗る人であれば検討する価値があるでしょう。

自転車保険を検討している人は、「自動車保険の自転車特約」を活用して、手頃な保険料で自転車事故への備えを準備してみてはいかがでしょうか。

自動車保険の自転車特約、チェックしたいポイントは?

自動車保険の特約で自転車事故もカバーしたい場合、まずは、自動車保険の特約と、自転車保険の違いを知っておく必要があります。

自転車保険の場合は、自転車事故で自分自身が死亡・負傷した場合の補償(自分への補償)と、相手の身体や器物に損害を与えた場合の損害賠償(他人への補償)がセットになっているものがほとんど。 一方、自動車保険の特約では、SBI損保などの一部の例外を除いて「自分への補償」と「相手への補償」が分かれています。

自動車保険の自転車事故の補償

自分への補償→「人身傷害」でカバー

自動車保険の「人身傷害」の補償では、ドライバーやその家族が歩行中や自転車搭乗中に、他の車やバイクと接触し、死亡・負傷した場合などに保険金が支払われます(車内+車外補償型の場合)。ただし、人身傷害には、自身の車に乗っているときの損害しかカバーされない「車内のみ補償型」もあるため、自転車事故をカバーしたい場合は必ず「車内+車外補償型」を選択する必要があります
また、「車内+車外補償型」であっても、自転車VS自転車、自転車VS歩行者の事故で負傷した場合は補償対象外となる場合があるため要注意。保険金支払い事由も同時にチェックしましょう。
なお、医療保険や生命保険に別途加入している場合は、必ずしも人身傷害でケガや死亡に備えなくて良い場合もあります

相手への補償→「個人賠償責任保険」でカバー

自動車保険の「個人賠償責任保険」では、自転車搭乗中の接触事故等で他人に損害を与えた場合の賠償額をカバーすることができます。ほとんどの自動車保険では、車を運転しない家族も「個人賠償責任保険」の対象となり、一つの契約で家族全員分をカバー可能。保険料も手頃で、付加しやすい特約と言えるでしょう。
ただし、保険金額は自動車保険ごとに、3,000万円・1億円・無制限など大きく異なります。また、実際に事故が起きた場合(こちらが加害者となった場合)は、示談交渉サービスが付いているか否かも重要なポイントです

自転車特約が充実したおすすめの自動車保険 1

自動車保険の中には、「自転車保険」と同じように自分への補償と他人への補償がセットになった「自転車特約」を用意している保険会社もあります。
ダイレクト自動車保険の売上で15年連続No.1を誇るソニー損保は、自動車保険に個人賠償特約を付帯することで、自転車での事故含む、日常生活の事故を被保険者とその家族までカバーすることができます。具体的には「自転車で人にケガをさせた」「自転車で車に傷をつけた」といった自転車事故を補償(さらにお店で商品を壊してしまった場合も補償)、ソニー損保が示談交渉を行います。ただし自転車で自分がケガをしてしまった場合は補償の対象外となるので注意しましょう。

ソニー損保(自動車保険)
ソニー損保(自動車保険)画像 補償内容
(損害賠償)1事故につき1億円※示談交渉サービスあり
(補償例)
  • 自転車で人にケガをさせた
  • 自転車で車に傷をつけた
  • お店で商品を壊してしまった
(補償対象)
  • 記名被保険者やその家族
保険料
契約者の年齢・車種・等級によって大きく異なるため要見積
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自転車特約が充実したおすすめの自動車保険 2

また、補償が分かれている自動車保険の中にも、自転車事故の特約を充実させている自動車保険があります。セゾン自動車火災保険の「自転車障害特約」は、自転車事故による死亡・入院等で保険金が支払われる自転車事故特化型の補償。「個人賠償責任特約」は補償額上限が無制限で、示談交渉サービスが付帯している点も魅力です

セゾン自動車火災保険の自転車障害特約+個人賠償責任特約
セゾン自動車火災保険(おとなの自動車保険)(自動車保険)画像 補償内容
(損害賠償)1事故につき無制限※示談交渉サービスあり
(死亡保険金)1名につき500万円
(後遺障害保険金)1名につき後遺障害の程度に応じ20万円~500万円
(入院一時金)入院5日以上で10万円
(入院保険金)入院1日につき5,000円※事故の日からその日を含めて180日が限度となります。
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コラム 保険料が手頃な自転車保険もチェックしよう

自動車保険の自転車特約は手頃な保険料が大きな魅力ですが、マイカーを持っていない人は、専用の自転車保険がおすすめ。最近は、インターネットから簡単に加入できる自転車保険も増えており、インターネット販売ならではの手頃な保険料を特徴としています。

楽天超かんたん保険

楽天超かんたん保険 自転車プラン

ショッピングモール最大手「楽天」が保険契約者、大手損害保険会社「三井住友海上」が引受保険会社になり、楽天会員向けに販売を行っている自転車保険。ネットでの申し込みに販路を限定することでコストを抑えており、充実の保障と手頃な保険料を実現。節約コースなら月額わずか170円、標準コースも月額わずか300円で利用できる。また子どもだけが加入できるプランや家族みんなを保障するプランも用意。楽天会員であれば、加入でき、保険料の支払いに楽天スーパーポイントを充当することもでき、数ある自転車保険の中でも人気が急上昇している。

支払い保険料<節約コース>
 補償内容 (個人賠償責任保険)1億円
(死亡・特定重度障害)100万円
(入院保険金)1日につき1,500円※120日限度
 保険料(本人型) (月額)170円
(年額)1,960円
支払い保険料<標準コース>
 補償内容 (個人賠償責任保険)1億円
(死亡・特定重度障害)100万円
(入院保険金)1日につき1,500円
(通院保険金)1日につき1,000円
 保険料(本人型) (月額)300円
(年額)3,350円

まとめ

自転車に乗る人であれば、自転車事故への備えは必須です。特に、相手に損害を与えた場合の損害賠償は、予想以上に高額となるケースもあり、確実に準備しておきたい補償の一つ。

自転車専用の保険は、自転車事故にまんべんなく備えることができますが、家族全員で加入する場合は、より手頃な保険料で補償を準備できる「自動車保険の自転車特約」も検討する価値があります。

家族に自転車ユーザーが多い場合や、損害賠償のみ準備したい場合などは、自動車保険の自転車特約を上手に活用してみてはいかがでしょう。

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