保険まめ知識

第5回 死亡時の公的保障(年金)

1.死亡時にもらえる公的保障とは

国民年金や厚生年金は、国民全員が加入を義務付けられている公的年金制度です。
職業によって「国民年金」「厚生年金」「共済年金」の3種類に分かれています。これらの年金制度には、被保険者が65歳以上になるともらえる「老齢基礎年金」以外にも、死亡時や障害が残った場合に支給される「遺族年金」や「傷害年金」があります

POINT! 年金の種類

  • 国民年金…第1号被保険者(自営業者、学生、フリーターなど)
  • 厚生年金&共済年金…第2号被保険者(サラリーマン、公務員など)、第3号被保険者(第2号被保険者の被扶養配偶者)

≪ 死亡時の公的保障 ≫

遺族基礎年金 国民年金 厚生年金 共済年金 
受給対象者
  • 18歳未満の子をもつ妻
  • 両親のいない18歳未満の子
※子供のいない妻はもらえない
※老齢基礎年金の受給者&受給資格を持つ人が亡くなった場合も適用
支給額 年額792,100円+子の加算
(※子の加算…第1子・第2子各227,900円、第3子以降各75,900円
受給条件 保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が加入すべき期間の3分の2以上あること
遺族厚生年金 厚生年金
受給対象者 サラリーマンなどの厚生年金加入者の遺族
1.妻、夫、子供
2.父母
3.孫
4.祖父母
※子供のいない妻ももらえる
※妻以外は年齢条件あり
※老齢基礎年金の受給者&受給資格を持つ人が亡くなった場合も適用
支給額 計算式に基づいて算出
(平均標準報酬月額×7.5÷1000×平成15年3月までの被保険者被保険者期間の月数 +平均標準報酬額×5.769÷1000×平成15年4月以降の被保険者被保険者期間の月数)×1.031×0.985×3÷4
受給条件 保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が加入すべき期間の3分の2以上あること
遺族共済年金 共済年金
受給対象者 サラリーマンなどの厚生年金加入者の遺族
1.妻、夫、子供
2.父母
3.孫
4.祖父母
※子供のいない妻ももらえる
※妻以外は年齢条件あり
※老齢基礎年金の受給者&受給資格を持つ人が亡くなった場合も適用
支給額 遺族厚生年金に加えて職域年金相当分の4分の3が加算
※遺族厚生年金よりおよそ2割程度年金額が多くなる
受給条件 保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が加入すべき期間の3分の2以上あること
中高齢寡婦加算 厚生年金 共済年金 
受給対象者
  • 夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で生計を同じくしている子がいない妻
  • 40歳時、遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻が、子が18歳(障害の状態にある場合は20歳)到達年度の末日に達したため、遺族基礎年金を受給できなくなった時
支給額 年額594,200円
受給条件

表を見ると分かるように、公的年金制度の死亡保障は、被保険者が加入する年金の種類によって大きく異なります。特に、夫がサラリーマン(あるいは公務員)で18歳以下の子供のいる家庭では、「遺族基礎年金」+「子の加算」+「遺族厚生年金」、さらに妻が所定の条件を満たしていれば「中高齢寡婦加算」と、厚い死亡保障が受けられます。ただし、子供の養育費や教育費など、将来の出費もかさむ為、足りない分の保障を準備しておくとリスクに備えることができます。

また、夫が国民年金の被保険者で、なおかつ子供がいない場合は、公的年金制度から受け取れる死亡保障がないため、サラリーマン世帯以上に、万一の場合の死亡保障を手厚くする必要があります。

2.公的保障の不足分は民間の生命保険で準備しよう

公的保障でカバーできない遺族の生活費は、民間の生命保険で補うことをおすすめします。
いくらの保障を準備するかは、遺族年金から月々の生活費(夫の生活費分を省いたもの)を引き、子供の教育費や予備資金など今後必要となるお金を足して計算します。

ただし、これらの計算は非常に複雑となるため、簡単に出したい場合は簡易表や保険会社が提供している必要保障額シミュレーションなどを利用すると良いでしょう

≪ライフスタイル別 生命保険の保障額 ≫

未婚/既婚 性別 子供の数 夫の働き方 妻の働き方 住居 必要保障額
シングル 男・女 300万円~500万円
既婚 なし 会社員
公務員
自営業
 共働き  500万円~2,000万円
専業主婦 1,000万円~2,500万円
1~2人 会社員・公務員  共働き  持ち家 2,000万円~3,000万円
賃貸 3,000万円~4,000万円
自営業・自営業 持ち家 3,000万円~4,000万円
賃貸 4,000万円~5,000万円
会社員・公務員 専業主婦 持ち家 3,000万円~4,000万円
賃貸 4,000万円~5,000万円
自営業・自営業 持ち家 4,000万円~5,000万円
賃貸 5,000万円~6,000万円
なし 会社員
公務員
自営業
300万円~1,000万円
1~2人  共働き  1,000万円~2,000万円
専業主婦 500万円~1,000万円

≪ 必要保障額シミュレーション≫

ライフネット生命「保険料見積もり」

ライフネット生命

ライフネット生命の保険料シミュレーション。加入者の生年月日と性別を入力するだけで、ライフネット生命が取り扱う各種の保険商品の保険料を試算できる。

アクサダイレクト生命「保険料シミュレーション」

アクサダイレクト生命

アクサダイレクト生命の必要保障額シミュレーション。生年月日や性別、家族情報を入力して必要保障額を割り出せる。算出結果は、生活パターン(配偶者の働き方・子供がいるかなど)によって自由にカスタマイズ可能

3.公的保障のカバーに役立てたいおすすめの生命保険

民間の生命保険には、定期保険と終身保険があります。
定期保険は一定期間のみの掛け捨て型の生命保険で、保険期間が終わると死亡保障がなくなりますが、そのぶん保険料が安く、大きな額の死亡保障を準備するのに向いています。

終身保険は、保障が一生涯続き、加入時の保険料が変わりません。掛け捨てでなく、解約時は一定利率に基づいた解約返戻金が支払われるため、月々の保険料は定期保険よりも高く、小口の死亡保障を用意したい場合に向いています。

どちらの生命保険を選ぶかは、加入者のライフスタイルや現在の貯蓄額などをもとに決めるのが望ましいですが、一般的には、子供の誕生から独立までなど多めの死亡保障が必要とされる時期は、保険料の安い定期保険で厚めの保障を準備し、子供の独立後は、資産状況に合わせて生命保険の要不要を判断すると良いでしょう。

≪ おすすめの生命保険 ≫

『かぞくへの保険』(ライフネット生命)

ライフネット生命

ライフネットの定期保険。保険料の手頃さでアクサダイレクト生命とトップを争う。特に20代・30代からの注目度が高い。保険会社の利益率を開示するなど顧客重視の営業姿勢も高評価

保障内容
保険期間 10年間、20年間、30年間、60歳まで、80歳まで、から選択
※満80歳まで自動更新可能
主契約 死亡保障・高度障害保障
特約 なし
死亡保障額 500万円~1億円
※100万円単位で設定可
保険料の試算(35歳、特約なし、月払いの場合)
200万円
500万円 男性:940円
女性:698円
1,000万円 男性:1,631円
女性:1,146円
3,000万円 男性:4,393円
女性:2,938円
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『アクサダイレクトの定期保険2』(アクサダイレクト生命)

アクサダイレクト生命

アクサダイレクト生命の定期保険。加入者の年齢や保障額によってライフネット生命よりも保険料が安くなることも。契約更新時にアクサダイレクトの健康基準を満たしていると更新後の保険料を割引

保障内容
保険期間 10年間
※80歳まで自動更新。55歳満了、60歳満了、65歳満了、70歳満了タイプもあり
主契約 死亡保障・高度障害保障
特約 ・災害割増特約
・リビング・ニーズ特約
死亡保障額 500万円~1億円
※100万円単位で設定可
保険料の試算(35歳、特約なし、月払いの場合)
200万円
500万円 男性:970円
女性:730円
1,000万円 男性:1,940円
女性:1,460円
3,000万円 男性:4,680円
女性:3,210円
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ちゃんと応える医療保険『EVER』(アフラック)

アフラック(アメリカンファミリー)

アフラックの終身保険。60歳の保険料払込期間終了時に保障内容が異なる3つのコースを選択。どのコースを選択しても返戻金がもらえる(年金・健康祝金などコースによって名称は異なる)

保障内容
保険期間 終身
※保険料払込期間は60歳まで
主契約 死亡保障・高度障害保障
特約 ・医療保障コース
・介護年金コース
・年金コース
・死亡保障コース
死亡保障額 200万円~1,500万円
※100万円単位で設定可能
保険料の試算(35歳、特約なし、月払いの場合)
200万円 男性:4,458円
女性:4,034円
500万円 男性:11,045円
女性:9,985円
1,000万円 男性:21,790円
女性:19,670円
3,000万円
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『長割り終身』(東京海上日動あんしん生命)

損保ジャパンDIY生命

東京海上日動あんしん生命の終身保険。保険料払込期間中の解約返戻金を低めに設定し、保険料を抑えている。払込期間終了後の解約返戻金は、保険料総支払額を上回る

保障内容
保険期間 終身
※保険料払込期間は65歳まで
主契約 死亡保障・高度障害保障
特約 なし
死亡保障額 200万円~500万円
※金額ごとにA~Dタイプに分かれる
保険料の試算(35歳、特約なし、月払いの場合)
200万円 男性:3,716円
女性:3,364円
500万円 男性:9,290円
女性:8,410円
1,000万円
3,000万円
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ライフネット生命の保険料試算および掲載データについて
※いずれの商品も、満期保険金や配当、また、解約返戻金はありません。なお、保険料は、2014年5月2日時点の保険料率で計算したものです。
※本データは、2014年5月2日時点の情報を元に作成しております。

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