保険まめ知識

第2回 保険の不払いを防ぐには

保険に加入する際、不払いの問題を気にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
家族や自分のためにせっかく加入した保険も、いざというとき保険金が支払われなければ保険としての意味がなくなってしまうばかりでなく、今まで払い続けてきた保険料も無駄になり、家計へのダメージは計り知れません。

そこで今回は、生命保険や医療保険の不払いを防ぐ方法にスポットを当てて、保険金(給付金)が支払われないケースを解説するとともに、不払いを避けるための保険の選び方や、不払いリスクの少ないおすすめの保険を紹介します。

保険が不払いになりやすいケース

最初に、保険が不払いになりやすい代表的な例を見ていきましょう。(クリックすると詳しい説明を確認できます)

1.保険金の請求忘れ

保険の不払いでもっとも多いのが、保険の存在や保障内容を被保険者が知らないために、保険金が請求されないケースです。原則的に、保険は被保険者からの請求がなければ支払われないため、当人や保険金の受取人は、どのようなケースで保険が支払われるのかを把握している必要があります。(例:医療保険…何日以上の入院で給付金が支払われるか、通院も対象なのか、特定の病気で給付金が上乗せされるか否か等)
保険金の請求忘れを防ぐには、保障内容がわかりやすいシンプルな保険を選んだり、保険関連の契約書や約款等を一箇所に集めてすぐにチェックできるようにする方法がおすすめです。

≪ 保障内容を管理しやすいシンプルな保険 ≫

『かぞくへの保険』(ライフネット生命)

ライフネット生命

20代・30代のからの注目度が高い生命保険。保険料は手頃で、プロが入りたい保険No.1にも選ばれている

保険商品 生命保険
保険期間 10年間、20年間、30年間、60歳まで、80歳まで、から選択
※満80歳まで自動更新可能
保障内容
(主契約)
死亡保障・高度障害保障
特約 なし
保障額 500万円~1億円
※100万円単位で設定可
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『アクサダイレクトの定期保険2』(アクサダイレクト生命)

アクサダイレクト生命

保険料の安さでライフネットと人気を二分。更新時にアクサダイレクトの健康基準を満たしていると更新後保険料を割引

保険商品 生命保険
保険期間 10年間
※80歳まで自動更新。55歳満了、60歳満了、65歳満了、70歳満了タイプもあり
保障内容
(主契約)
死亡保障・高度障害保障
特約
  • 災害割増特約
  • リビング・ニーズ特約
保障額 500万円~1億円
※100万円単位で設定可
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『新じぶんへの保険』(ライフネット生命)

ライフネット生命

手術給付金(一律10万円)を付け外し可能。公的保険が適用される手術(約1,000種類)が保障される

保険商品 医療保険
保険期間 終身
保障内容
(主契約)
入院給付金、手術給付金
特約 なし
保障額
  • 入院給付金:日額5,000円、10,000円、15,000円で設定可
  • 手術給付金:なし(追加可能:一律10万円)
  • 対象となる手術:公的医療保険の適用範囲(約1,000種類)オススメ!
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『アクサダイレクトの定期医療』(アクサダイレクト生命)

アクサダイレクト生命

定期型医療保険。ネットで保険料の試算や申し込みができ、保障額の減額や受取人の変更なども可能

保険商品 医療保険
保険期間 10年
※保障期間終了後は80才まで自動更新
保障内容
(主契約)
入院給付金、手術給付金
特約
  • 入院時一時金特約
  • がん特約
保障額
  • 入院給付金:日額5,000円~2万円※1,000円単位で設定可
  • 手術給付金:入院給付金日額の一律10倍、支払い回数の限度なし
  • 対象となる手術:約款所定の手術(約88項目)
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ライフネット生命の掲載データについて
※本データは、2014年5月2日時点の情報を元に作成しております。

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2.告知義務違反

保険金の請求忘れとともに保険の不払いで多いのが告知義務違反です。既往症や通院歴を正しく告知せず保険に加入し、関連する病気で入院や手術、死亡が発生した場合、保険金や給付金は支払われません。ただし、告知しなかった病歴・通院歴以外の原因(突発的な事故や病歴等に無関係の疾病など)によって支払事由が発生した場合は支払われます。
また、平成22年4月1日以降、保険の告知は、保険会社が求めたものについてのみ報告すればよくなりました。新しく保険に入る場合、まずは保険会社の告知に関する質問事項をしっかりと読み、不明な点は確認するなどして正確な回答を心がければ、告知義務違反の心配はほぼないと言えます。

3.保険会社の倒産(破綻)

保険会社が倒産・破綻した場合も、保険金や給付金が支払われないケースの一つです。ただし、多くの場合は生命保険契約者保護機構によって、責任準備金の90%までが保障されるため、まったく支払われないケースはごくまれです。
責任準備金とは、保険会社が将来の保険金や給付金の支払いに備えて貯蓄しているお金のことで、毎年の保険料収入に対する責任準備金の割合が多いほど、その保険会社は財務に余力があると言えるため、同じく保険会社の指標であるソルベンシー・マージン比率や格付けとともにチェックしておくと良いでしょう。

責任準備金の多い保険会社を選ぶことで、倒産後の不払いリスクだけでなく、倒産そのもののリスクを抑えることができます。

≪ 保険会社の責任準備金(平成21年度)≫

保険会社 アフラック ライフネット生命 アクサダイレクト生命
系列 外資系生保 ネット系生保 ネット系生保
収入保険料 1,231,533 591 498
支払金(保険料、給付金、解約返戻金等) 589,053 34 141
責任準備金繰入額 395,488 196 233
収入保険料に対する責任準備金繰入率 32.11% 33.16% 46.78%
ソルベンシーマージン比率 939.3% 8731.5% 2798.7%
格付け(S&P) AA-(ネガティブ)
財務安全性
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保険会社 ソニー生命 日本生命 第一生命
系列 独立系生保 国内大手生保 国内大手生保
収入保険料 700,101 4,817,479 2,837,251
支払金(保険料、給付金、解約返戻金等) 274,278 3,882,981 2,610,535
責任準備金繰入額 393,234 1,166,043 328,262
収入保険料に対する責任準備金繰入率 56.16% 24.20% 11.56%
ソルベンシーマージン比率 2637.3% 1006.0% 1187.3%
格付け(S&P) A+(ポジティブ) AA-(ネガティブ) A(ネガティブ)
財務安全性
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生命保険協会「生命保険事業概況・各社決算発表資料」(百万円)

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4.自殺(2~3年以内の場合)

生命保険のほとんどは、被保険者の自殺について、一定の免責期間を設けています。期間はおおむね3年、中には2年の保険もあり、免責期間内の自殺は保険金支払いの対象になりません。ちなみに、自殺による死亡では「普通死亡保険金」が支払われ、不慮の事故等で上乗せされる「災害死亡給付金」の支給がない点も要注意です。

5.責任開始日以前の発病

医療保険の場合、設定されている責任開始日以降の病気が保険金や給付金の支払対象となります。たとえば、責任開始日以前に罹っていた病気が、責任開始日以降に再発した場合などは、保険の支払い対象外となるため要注意です。
医療保険のなかでも、がん保険は加入から3ヶ月間と長めの免責期間を設けていることが多く、加入3ヶ月以内のがんでは給付金や一時金が支払われません。医療保険、とりわけ、がんに備える保険は健康なうちの加入がおすすめです。

6.保険料の滞納

保険料を2ヶ月以上滞納すると、保険契約が「失効」となり、失効期間中は保険の支払事由に該当しても保険金や給付金が支払われなくなります。失効から3年以内であれば、復活手続きをとることで保険契約を続行させることができますが、健康状態等の再告知が必要であったり、自殺の免責期間(通常2~3年)がリセットされるなど不利な点も多いため、保険期間中は保険料の支払いが滞らないようにすることが大切です

7.保険期間の終了

5年・10年といった定期型の保険に加入している場合、保険期間が切れたあとの死亡や疾病は保険金が支払われません
多くの定期保険は、あらかじめ更新ストップの指示をしない限り、自動で契約が更新されていきますが、法律上では、保険会社が契約者に保険の満期通知をする義務はないため、60歳、70歳、80歳等、年齢が上がってきた場合の更新には注意をしておくと良いでしょう。

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保険の不払いを防ぐために

保険金や給付金が支払われないケースは、保険会社の契約のしおりや約款に明記されている場合がほとんどです。加入前にホームページ上や請求資料でチェックできる場合も多いため、必ず目を通しておきましょう。
また、すでに加入している保険が不払いになならないかどうか心配な場合は、手元に保険証券を用意し、保険会社に問い合わせてみる方法がおすすめです。もしも保険会社の説明に納得できなければ、保険のトラブルに対応する相談窓口を利用しても良いでしょう。

相談窓口 保険のトラブルに対応する相談窓口

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